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富裕層と同じ金融サービスを受けるには? WealthNavi柴山CEOに聞くロボアドバイザーが目指すのは富裕層サービスの民主化(4/4 ページ)

» 2018年11月16日 15時45分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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 「AIが株価や金利を予測して売買するというのが運用のAI化のイメージだと思います。多くの場合は失敗すると思うが、一部にうまくいくものが出てくるかもしれない。でも、そこで生まれてくるのは短期売買なんです。短期売買がリターンの源泉です。マーケットのゆがみを見つけて利益を出す。しかも誰か相手から奪ってくるわけです。限られたパイの奪い合いです。これを誰もができるようになるというのは定義矛盾です。一部の人のためにAI運用をするのは可能かもしれませんが、多くの方から多くの金額を預かったらできないんです。働く世代を豊かにしましょう、富裕層向けのサービスを民主化していこうという私たちの考えとは合いません」

 最後に、インデックス投資についても聞いてみた。WealthNaviが提供しているサービスは、既存のインデックス型ETFを組み合わせて購入し、定期的にリバランスするのが基本だ。いわゆるインデックス投資に当たる。ならば、自分でETFを選んで購入し、自分でリバランスも年に1回程度行えば、より低コストで同じ結果を得られるのではないだろうか?

 「そうだと思います。賛成です。ただしそれが実行できる人は、人間が陥りやすい心理的なワナにはまらない性格の持ち主か、いろいろな経験をくぐり抜けて痛い目にもあい、ワナに陥らない術を身に着けた人だと思います。そういう人が、自分でできるし自分でやったほうが手数料が安い、というのはそのとおりだと思います」

 「問題は、そういう人が世の中にどれくらいいるか。私の両親にそれができるか。ちゃんと自分で運用できる人は1%もいないかもしれない。世の中の99%の人は感情のワナにはまるんですよ。そういう人に寄り添って、どうやって20年、30年、老後に向けた資産運用をしていくかが、目指している姿です」

 

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