ウォークマンを買った。TPS-L2。1979年発売の初代ウォークマンである。当時3万3000円。大学2年生のぼくにとっては高かったがそれでも飛びついた。超小型のステレオサウンド再生装置。その場を自分の世界にできる。iPod登場時の衝撃に近いものを感じた。
最近の話題でいうと、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で主人公のスターロードが使っているやつだ。これなら知ってる人も多いだろう。
2台目のウォークマンはメルカリで落札。1万8000円で手に入れた。
売り主の説明によれば動作はしないということだったが、動作保証の調整済みウォークマンは5万を超えるのが普通。電源が入るのならめっけものということで購入を決めた。「うまくすればベルト交換だけで復活できるかも」と目論んでいた。だが、起動してもモーター音がしない。これだとベルトを交換してもダメっぽい。
いや、まだ手はある。ウォークマンをはじめとする古いラジカセを修理してくれるという腕利きの店が八王子の野猿街道にあるというので、そこまで持ち込んでみた。
そのお店、A&Vテクニカルでチェックしてもらったのだが、「これは簡単にはいかない」との返事。修理を引き受けたとしても、いくらかかるかは分からない。時間がかかることは想像できるので、最終的に5万になるか6万になるか。「これは売却して動作するものを買ったほうがいいでしょうね」というアドバイスをいただいた。
だがそこで引き下がるのも悔しい。この初代ウォークマンから音を出せるようにしたい。まだやれることはあるはずだ。
単3乾電池を2本入れ、再生ボタンを押すとOPERATIONランプはつく。ボリュームを上げてイヤフォンをつなぐとサーっとホワイトノイズ混じりの音はする。オレンジ色のHOT LINEプッシュボタンを押すと外の音をマイクで拾ってくれる。ただ、カセットだけが回らない。そんな状態で聴く方法はあるのか?
そこで思い出したのは、RAVEMETALという製品。シーグランドという会社のMP3プレーヤーで、カセットテープの形をしている。内蔵メモリでMP3ファイルを再生し、カセットプレーヤーのヘッド経由で音を出すことができる。当時、シーグランドの担当者から話を聞いたことがあったのだが、2007年に倒産してしまった。一時期放出品が出回っていたらしいが、今ではメルカリ、ヤフオクにもない。
あったとしても、バッテリーがへたっていたり、ケーブルが特殊だったりと扱いづらいものらしい。カセットプレーヤーのヘッドとつなぐ製品は旧型カーステレオ向けがほとんどで、カセットテープのツメのあるあたりからケーブルが出ている。これはウォークマンのようにフタを閉じる場合には邪魔。RAVEMETALは数少ない対応製品だったのだが。2017年にはMIXXTAPEという、同様な製品がクラウドファンディングで出たらしいが、現在では入手できないようだ。
ないのならしょうがない。別の方法を探そう。
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