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ガチ勢は歩かない? 掟破りな位置情報ゲーム「テクテクテクテク」の味わい方(2/2 ページ)

» 2019年01月12日 07時00分 公開
[村上万純ITmedia]
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別次元へいざなう“新幹線塗り”と京都上陸

 今でも多くのユーザーが遊んでいる位置情報ゲーム「Pokemon GO」は、安全性を考慮し、自動車や電車などに乗っているときは時速制限がかかるが、テクテクテクテクにはそうした制限がない。

 新幹線でよやくぬりをすれば、それはもうすごい勢いでマップを塗りつぶせるのではないか。アプリを起動し、ドキドキしながら新幹線が動くのを待つ。実際に新幹線が走り出すと、案の定ゲーム内アバターが猛スピードで走り出していく。

 しかし、通信の問題なのか端末の問題なのか、グラフィックの描画が間に合わず、あっという間にマップは真っ白になってしまった。背景に見える巨大な富士山と、何もない真っ白なマップ、そしてアバターのみという殺風景な景色。発車時と到着時のよやくぬりははかどるが、本格的に走り始めてしまうと、それ以降のプレイはスマホの性能や通信環境に依存する。

テクテク グラフィックの描画が間に合わない
テクテク 富士山と私だけの世界

 また、移動中は画面が読み込み中になってプレイができない。結局移動中に塗れたのは新幹線が駅に止まる前後の数分のみだった。

 「それなら安定的に塗りつぶせる電車やバスが良いのでは?」という気もするが、普段行けない駅を塗れるのはありがたい。特にテクテクテクテクのプレイヤーの間で“別次元”といわれる京都は、小さな街区が密集しており、効率的にポイントを稼ぐことができるボーナスステージ。古都・京都らしく街区の名前も独特なものが多く、その名前を眺めるだけでも歴史を感じて楽しい。

 忙しくスマホの画面を行ったり来たりしていると、あっという間に目的地に着いた。

テクテク 街区が密集しまくっている京都
テクテク 塗らざるを得ない

“となりぬり禁止”で気付いたこと

 無事、実家がある広島県に到着。となりぬりは便利な機能だが、細かいマップを眺めながら画面をポチポチ押しているとあっという間に時間が過ぎる。家族団らんの場でスマホゲームばかりしているわけにもいかないため、ひとまずアプリを起動させたままスマホをポケットにしまい、寝る前によやくぬりで一気に塗ろうと考えた。

 テクテクテクテクは、塗りつぶしたエリアが増えるほど、得られるボーナスポイントも増えていく。例えば筆者の場合、毎日60万テクテクポイント(マップを塗るときに消費するポイント)を得られるが、これを使い切ろうと思うと、数十分間はマップをポチポチする必要がある。ポイントが増えると、それを消費するためのプレイ時間も増えていく。

テクテク やりこんでいくと、ポイントを消費するのに時間が掛かってくる

 対象エリアは日本全国なので、全てを塗りつぶすにはまだ相当な時間が掛かる。しかし塗りつぶしたい欲もあるので、やめ時がなかなか見つけられないのが最近の悩みになっていた。

 そこで、思い切って帰省中は“となりぬり禁止”の縛りゲーをすることにした。あくまで家族と一緒に訪れた場所のみを現地塗りする。すると、こたつプレイヤー時代には気付かなかった、ゲームの新たな一面が見えてきた。

 というのも、自身が歩いた場所のみを塗るので、観光に行った際の行動ログとして便利と感じた。初詣に行ったり、近所を散歩したり、観光地を訪れたり。テクテクテクテクのために、橋を渡って隣の区に行ったりもした。橋の上はビュービューと容赦なく突風が吹き、家族からも「なぜこの寒い中、橋を渡るんだ」とツッコミが入ったが、そういう会話も含めて記憶に残る。

テクテク 格下の相手は、物理的にスマホをひっくり返す(上下逆さまにする)ことで倒すことができるという小技も発見。こうした小ネタが盛り込まれているのもテクテクテクテクならでは

 「思い出とマップを結び付ける」ことができるので、帰省に限らず、旅行したときも現地塗りをしてみようと思った。訪れた場所と、そうじゃない場所が一目で分かるからだ。ただし京都は猛烈な勢いで塗ってしまったので、これから京都に旅行へ行っても行動のログとしては機能しないだろう。

 帰省したことで「歩くことの楽しみ」にあらためて気付くことができた。東京に戻ってきたら、もっと歩こう。気持ちを新たに新年を迎えたが、いまの楽しみは隙間時間で京都をとなりぬりすること。もう少し暖かい季節になったら、少しずつ歩いていきたいと思う。

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