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» 2019年01月29日 14時27分 公開

個人投資家列伝(5):筋トレも投資も、効率性よりも「続けること」が重要 虫とり小僧さん (1/2)

投資マニア的に、最適なアセットアロケーションを計算したり、少しでも安い信託報酬のファンドを探したりとこだわってきた虫とり小僧さんだが、あることをきっかけに手間をかけずに「続けること」を再重視するようにスタイルが変わったという。

[斎藤健二,ITmedia]

 個人投資家の方々に、投資遍歴から投資に対する考え方まで聞いていくインタビュー企画「個人投資家列伝」第1回〜4回はこちら)。第5回は、金融庁などでも講演を行うインデックス投資家の虫とり小僧さんに話を聞いた。

虫とり小僧さんのブログ「いつか子供に伝えたいお金の話」

 投資歴14年の虫とり小僧さんは、アラフォーの会社員だ。給料も平均的で、4人家族で暮らしている。最初にお金のことについて考えたのは、結婚を意識し始めた20代中盤だったという。当時、新聞では景気が良いと書かれていたが、肌感覚としては全然いいとは思えなかった。調べていくと「日経平均」が上昇していることに気付いた。

 「これが景気がいいということなんだと。庶民に景気の良さが反映されるには、株式投資をしていないといけないんだと、なんとなく思った」

 同時期に転機になったのは、生命保険の勧誘を受けたことだった。

 「生命保険の営業の方が、ライフプランを作ってくれた。このまま何もしないと食っていけないぞ、と脅した上で、でもこの保険に入れば大丈夫だと提案された。それが終身保険で、『毎月5万円弱30年間払えば、120%に増えていますよ』と。素晴らしい話だな、銀行預金よりもいいなと思いました」

 ところがそこで保険に入るのではなく、なぜそんなことができるのか? と調べ始めたのが虫とり小僧さんの違うところだ。保険会社は社員の給料を払って、株主に配当して、死亡保障の保険金まで払って、その上で払った額以上を戻してくれるってどうしてだ? という疑問について調べ始めた。

 「世の中にはお金の運用があって、それで増やしているということにたどり着いた。資金の運用はアクロバティックだと思って調べたら、平均株価、指数というのがあって、MSCIの指数を見ると、30年で1000%以上に増えていた。それに比べると保険は30年払い続けて1.2倍じゃしょぼい。なるほど、保険会社はそこで稼いでいるんだなと」

 MSCIは米国の株価指数などを提供する企業だ。中でも世界中の株式を対象とした指数「MSCI All Country World Index(ACWI)」や、そこから新興国と日本を除いた「MSCI-KOKUSAI」が有名だ。全世界の株式に連動するこうした指数に投資するだけで、10倍になっているなら、自分でもできそうだな、と思ったのがインデックス投資を始めたきっかけだ。死亡保障は掛け捨て保険にし、自分で資産運用をしようと思った。

 「最初にインデックスを知ったが、そんなの平均だろうと。もっといい方法があるだろうと思って、個別株の売買とか、ファンドはアクティブでもいけるんじゃないかとかそういう思考法から入った。銀行に行って口座を開いて、新興国のファンドを買ったり。最初はうまくいった。資産配分も、新興国がくると思ったので比率を上げて、RIETがいけると思って比率を増やした。手数料の安さにもこだわった。何やってもうまくいって、自分には才能があるんじゃないかと」

 リーマンショックなどの下落もあったが、この方法でダメだったら何をやってもダメだろうという確信があったという。インデックス投資は世界経済の成長を前提にしているので、そこに投資してダメだとしたら、日常生活も送れない世界になっているという考えだ。

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