動画を制作・公開した会社員のTakayuki a.k.a Sonさん(25)も、みずほがメインバンクだ。昨年9月のみずほATM休止時にはお金を下ろし忘れ、チャージが残っていたSuicaを使って実家にお金を借りに帰った経験があるという。「動画の中盤までは当時の苦しかった思いが強く反映されてます」(Takayukiさん)。
Takayukiさんは大学時代に動画制作を始め、趣味で続けてきた。制作歴は6年。独学だという。今回の動画を作ったのは、今年1月、友人たちと「来月もみずほのATMが止まる、困ったねぇ」と話してた時、「お金が無いことで何もできなくなってしまう、という、何気ない日常が崩れ去っていく状況が、ディザスター・パンデミック系の映画に近いな」とひらめいたことがきっかけだ。
当初は映画のポスター風のものを作るつもりだったが、「ストーリー要素入れた方が絶望感が伝わりそう」と思い、映像で展開することにしたという。素材は映像制作者向けのストックサービスなどからつなぎ合わせたほか、一部の映像は自前で撮影。全体の構成はFinal Cut Pro Xを、テキスト表現などにはAfter Effectsを使った。構想から編集までは、土日を中心に約5日ほどかけたという。
完成した動画を、みずほATMが停止する前日、8日夜にTwitterに投稿したところ、想定を大きく超える反響が届いた。「もともとが思いつきのネタだったのですが、ここまでたくさんの方に観ていただけているのは本当に嬉しいし、その拡散力にも驚いています」とTakayukiさん。「コメントを見る限りかなり共感いただいてるようなので、本当に楽しんでいただけて良かったと思っています」と話す。
ちなみに筆者もメインバンクがみずほ銀行だ。度重なるATM停止にイライラすることもあったが、この動画を見て笑い、少し気持ちが晴れた。
みずほ銀行は7月13〜16日にもATMを停止する予定で、Takayukiさんはその時に向けて「続編のようなもの」を制作する計画だ。ただ「今回の映画風とはまったく違うテイスト」になるそうだ。
この記事はYahoo!ニュース個人に2月10日に掲載された「諦めるな」みずほATM休止、映画の予告編風に 個人制作の動画に反響、2日で200万再生に、一部編集を加えて転載したものです。
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