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デカくて重い? プロ仕様の堅牢さと操作性を備えた「LUMIX S1/S1R」荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/4 ページ)

» 2019年02月16日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
存在感のあるがっしりしたボディのS1R。構えてくれたのは写真家の三井氏。

 「35mmフルサイズミラーレス一眼」が急に盛り上がったのは一眼レフの2大ブランドであるニコンとキヤノンがほぼ同時期に参入したから、ってのが大きいけれども、同時期に35mmフルサイズセンサー搭載機を開発発表したパナソニックも忘れてはならないわけで、それが「CP+」を前に国内で正式に発表されたのである。

 実機をレビューできるのはもうちょっと先になりそうなので、ここでは発表会で実際に触ってみたファーストインプレッションを。

Sシリーズの注目ポイント

 パナソニックのLUMIX S1とS1R。Rがついている方が高画素モデルでボディは同じだ。

 このシリーズの注目ポイントは二つある。

 一つめはライカの「Lマウント」を採用したこと。

 古いデジカメ好きなら知っているだろうが、パナソニックがデジタルカメラに本格参入を決めたとき、協力を求めたのがドイツのライカカメラ。2001年にはデジタルカメラに関する協業で両社が合意し、パナソニックからマイクロフォーサーズ用のライカブランドのレンズも出ているし、ライカカメラがパナソニックのデジタルカメラをOEMしてライカブランドで発売することもある(というか今もそういう製品がある)。もともとパートナーだったわけだ。

2001年に始まるライカカメラとの協業関係

 パナソニックがLマウントを採用したのも格段不思議ではないのである。すでに「ライカSL」で実績もレンズもあるのだ。

 驚いたのは、18年のLマウントアライアンスの発表にシグマが参加していたこと。これはでかい。

 だから、今回パナソニックが発売するレンズは3本だが、すでにライカが発売しているレンズ(高価だけど)、さらに3社が今後発売予定のレンズを入れると、20年度中には42本以上になる予定だ。シグマからはマウントコンバーターの発売も予定されており、使えるレンズは意外に多いのだ。

3社分合わせたレンズロードマップ

 二つめはS1とS1Rがプロ向けのハイエンド市場をターゲットにしたカメラであること。だから頑丈でミラーレス一眼としては大きくて重く価格もちょいと高めだ。

 そこが他の3社がミラーレス一眼ならではのコンパクトな製品を出しているのと対照的な点である。

 パナソニックとしては、小型軽量のミラーレスとしてすでにマイクロフォーサーズ機を持っている、本格的なカメラメーカーとなっていくにはプロカメラマンにも食い込みたい、という事情を考えれば小型軽量よりもタフで信頼性があり、高画質なカメラを目指したのはよく分かる。

確かに大きくて重いがファインダーや操作性はかなり高かった

 というのを念頭に置いてさっそく発表会場で触ってみたのである。

 ボディデザインは、同社の「G9 Pro」的だ。それぞれの写真を並べてみた。

マイクロフォーサーズのDC-G9

 S1/S1Rが搭載するセンサーは35mmフルサイズ。

S1Rを正面から。Lマウントの規格はマウント系が51.6mm、フランジバックは20mm。レンズを固定する爪は4つある。

 両者の違いは画素数で、上位機となるS1Rは4730万画素と画素数が多く、ISO感度も最高でISO51200(拡張感度)。

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