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国内IaaS/PaaS市場、止まらぬ拡大 22年度には計1兆円超えへ

» 2019年03月14日 19時41分 公開
[ITmedia]

 調査会社のアイ・ティ・アールはこのほど、国内のIaaS/PaaS市場規模と今後の予測を発表した。2017年度現在、両市場の規模は前年度比34.1%増となる計3575億5000万円で、上位企業を中心にほぼ全てのベンダーが順調に売り上げを伸ばしたという。市場規模は引き続き拡大し、22年度には計1兆1066億円に上る見込みとしている。

IaaS市場は5年間で約2倍に

 個別にみると、17年度現在のIaaS市場規模は2529億円。今後は、18年度は3225億円、19年度は4002億円、20年度は4823億円、21年度は5339億円、22年度は5763億円と推移するとみられる。

 好調の要因は、ハイブリッドクラウド環境やマルチクラウド環境を導入する企業が増えているため。アイ・ティー・アールは「各ベンダーはクラウドサービスを重点商材として販売に注力しており、ユーザー企業による売り上げ増を下支えにIaaS市場は今後も拡大する」と分析する。

photo 国内のIaaS/PaaS市場規模と今後の予測(=アイ・ティー・アール調べ)

PaaS市場は5年間で約4倍に

 また、17年度現在のPaaS市場規模は1047億円で、18年度は1651億円、19年度は2279億円、20年度は3001億円、21年度は3640億円、22年度は4303億円と増加を続ける見込みという。

 同社はPaaS市場の現状を「クラウドを活用し、新規ビジネスを創出して新たな市場を開拓しようとする企業が増加している。デジタルイノベーションを推進するシステムを迅速かつ低リスクで構築することを目的として、PaaSに対する期待が高まっている」と分析。

 「提供サービスの種類や数、品質などで差別化が図りやすいPaaSの販売を強化するベンダーが多く、それに伴ってPaaSを導入する企業も増加傾向にあり、今後こうした流れが拡大していく」と予測している。

 ただ、成長が見込まれる市場環境において国内企業が競争力を保つには、大手海外ベンダーに対抗しうるサービスを構築する必要があるとし、同社アナリストの甲元宏明氏は「国内クラウドベンダーは、さらなる売上拡大に向け、グローバルで大きなシェアを持つAWS(Amazon Web Services)とMicrosoft Azureとの差別化が急務となる」と指摘している。

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