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「100年に1人の逸材」が変える「100年に1度のAI革命」マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(3/4 ページ)

» 2019年03月29日 07時00分 公開

 棚橋選手もファンに受け入れられなかった時期があり、会場で「愛してまーす」と叫んでも「チャラい」「キャラが軽い」「強さを感じない」など、拒絶反応とブーイングにまみれることもありました。

 それでも挫けずに続けなければ結果は出ませんし、ダメだからこそ定着するまでやらなければ意味がありません。チャラさを逆手に取ることで、いまでは会場に女性や子供のファンが増えてきました。

 理解者が増えるのも継続することの強みです。「スイーツ真壁」でおなじみの真壁刀義選手も、老人ホームや幼稚園の慰問などプロモーションに協力しています。すぐに結果が出なくとも、続けることで少しずつ変化が見えてきます。棚橋選手は試合も営業活動も全力で継続し、実績を出してきたので、会社(新日本プロレス)も棚橋選手の意見を無下にはできなくなってきました。

 では、AIの重要性を社内にアピールするところまで来たあなたの場合はどうでしょう。同じように現場や上司から反発を受けたとしても諦めてはいけません。継続することで、「実は私もAIを勉強している」「社内勉強会をやろう」「AIに詳しい知り合いを紹介できる」など、輪が広がっていく可能性もあります。隠れた優秀な人材が眠っているのも、大きな組織のメリットです。現場の職人、勘と経験、チームワークなどの製造業の強みがAIでさらに増していくことを伝えましょう。

 あるいは水面下で計画を進め、形になってきたら表に出すという方法もあります。製造業の長所は、こうした活動が多少問題視されても労働組合や社風などもあり、簡単に社員をクビにできない点です(ITベンチャーはあっさりクビにしますが)。どうしてもダメなら異動だってできます。

 継続的に活動すれば、必ず現場から組織が変わり、組織から会社が変わっていきます。続けることで、いち工場の提案から本社主導で行う大きなプロジェクトになるかもしれません。

棚橋選手のアクションその4:勝負強さ

 ここまで分析、アピール、継続と進めましたが、最後に求められるのは大一番での勝負強さです。プロレスならチャンピオンベルト(IWGPヘビー級王座)をかけた東京ドームのタイトルマッチに臨むところです。ここまで実力を付けていれば、ファンやマスコミなどへの影響力もあります。棚橋選手も上の世代とのタイトルマッチで大一番の勝負強さを発揮し、見事勝利して世代交代を果たしました。

 それでもタイトルマッチでしょっぱい(ふがいない)試合をしたら、たとえ勝ってもファンは認めてくれないでしょう。チャンピオンになってからもしばらくは、前述の「チャラい」「キャラが軽い」などでブーイングもありましたが、大一番でライバルたちとの名勝負を重ねて不動のエースとなり、新たなプロレスブームを巻き起こしました。

 製造業の話に戻りましょう。あなたは継続的なアピールをし、本社がAI導入を検討して予算を付けるかどうか考える段階に来ています。地道な活動の成果でAI導入に関する大規模な投資が進めば、東京本社で経営陣にプレゼンすることになります。

 ここでは大一番での勝負強さが求められるので、AIの有用性を分析し、体系立てて理論をまとめ、堂々と発表できるメンタルで実力を発揮してください。事前準備も大事です。他の役員を味方に付ける、質問の回答を準備する、懸念点を排除する、事例を収集する、費用対効果などの数字を準備する――などが求められます。ここまで来れば、会社としても動かざるを得ないでしょう。

 正直、会社を変えるのは大変で時間もかかり、うまくいかないこともありますが、諦めてはいけません。棚橋選手は愛を持って自分自身とプロレス業界を変えてきました。製造業とプロレスで立場は違えど、あるべき姿に向かって自分や組織を変えたいと考える気持ちは同じではないでしょうか。

プロレス 棚橋選手の奇跡のイラスト

組織としての団結力を

 ここまで棚橋選手の功績をまとめてきましたが、果たしてたった1人で全てを実現できたでしょうか? もちろん棚橋選手の力だけでなく、同世代のレスラーやライバルの活躍がありますし、棚橋選手に続く新たな選手が台頭して相乗効果を生み出しました。

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