資産運用の王道といえば不動産です。前回まで、不動産投資の最大の特徴は、融資を使って利益を増幅させられることでした。では、購入する不動産はどうやって選んだらいいのでしょうか?
「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーで不動産授業を担当する束田光陽先生に、不動産投資のタイミングについて聞きました。聞き手は編集部サイトウ。
サイトウ: 不動産に投資しようと思ったとき、いったいどうやって選んだらいいのか分かりません。
あるところに5000万円の物件があったとします。この5000万円が適正かどうか? どう判断しますか?
サイトウ: 2つあって、自分で住もうと思ったら今の家賃の支払いに比べてローン返済がいくらかな? 広さがどうかな? という点で決めます。投資家目線では、インカムリターンはどのくらい取れるんだろう? という点で考えます。
今言われた2つは、どちらも家賃収入などのインカムに注目している考え方ですね。もう一つは何がありますか? 例えば家賃収入が失われた場合はその不動産の価値はどこにあるんでしょうか?
サイトウ: 土地も含めて物件がどのくらいの値段で、今後それが売れるかどうか? でしょうか。
そうですね。モノとしての価値です。家賃とモノとしての価値の2つに分かれます。家賃のほうから見ていきましょう。
ぼく、去年自宅を買ったんです。3000万円の中古マンション、3LDK、70平米。これは自宅として買ったんですが、同じマンションのほかの部屋が賃貸にも出されているんですね。その物件は家賃15万円で貸し出されているんです。ということは、3000万円で買って、もし貸し出した場合は15万円の収入が月々入るはずじゃないですか。年間180万円入るはず。
これは3000万円の投資に対して、何パーセントの収益かというと6%ですね。6%の収益を生み出す、利回りが6%です。
一方で、ローン返済とも比較してみましょう。ぼくは35年の住宅ローンで購入したんです。すると、月々の返済額はどのくらいだと思います?
サイトウ: 7、8万円くらいですか?
そうです。7万、8万円くらいです。この返済プラス、管理費と修繕積立金、固定資産税、都市計画税、もろもろ含めて4,5万円くらいかかるので合計して13万円くらいになります。理論上、この物件を賃貸で15万円払って借りるよりは、13万払って買ったほうがお得じゃないですか。それが自宅目線の考え方です。35年後にはローン返済がなくなるので、5万円くらいで住めることになります。
なんですけど、これを考えるときはいくつか注意点があって、6%の利回りが妥当かどうかということです。
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