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» 2019年04月15日 07時00分 公開

「信頼関係がないと、お客さんは暴君になってしまう」 ”できるプロマネ”は何が違うか (1/3)

「プロマネ業務の80%はAIに肩代わりされる」という予想もあるが、本当だろうか。元アクセンチュアのプロマネが、誤解されがちなプロマネの役割や、プロジェクトを成功に導くコツを語った。

[村上万純,ITmedia]

 「2030年までに、プロジェクト管理タスクの80%はAI(人工知能)が解消してくれる」――米調査会社のGartnerは3月20日にこんな予想を発表した。

 こうしたニュースが流れたことで、「プロジェクトマネジメントの業務の80%がAIに代替される」という印象を持った人もいるようだが、どちらかといえばプロマネの業務をサポートしてくれるといったニュアンスが近いだろう。

 しかし、プロマネ自身はそうした楽観視もしていないようだ。このGartnerの予想に対し、プロダクトマネジメント事業を行うベンチャー起業JQ(東京都中央区)の下田幸祐社長は「ここで指しているのはプロマネ業務のほんの一部ではないでしょうか」と指摘する。プロマネは、プロジェクトを円滑に進める役割を担う存在。クライアント企業によっても「プロマネに期待すること」には差があり、下田社長は「プロマネという仕事にはまだまだ誤解が多い」と嘆く。

JQ プロダクトマネジメント事業を行うベンチャー起業JQの下田幸祐社長

 例えばJQの場合は、分析と提案までは行うが、最終的な意思決定はクライアントに委ねる。会社のビジョンや戦略を鑑み、その事業をどうしていくのかはクライアントにしか決められないからだ。この意思決定の体制が整っておらず、思い通りにプロジェクトが進まないことも珍しくないという。

 関わる人数が多くなるほど、メンバー全員を統率して計画を推し進める“リーダー”の存在が必要になる。目指すべきゴールも、スケジュールも、個人でやるべき作業も分からなければ、誰も動き出すことはできない。

 下田社長は「うまくいくプロジェクトと、そうでないものにはそれぞれ共通点があります」と話す。最近はAI活用に取り組む会社も増えてきたが、「AIに関する相談は従来のシステム開発とは違う特殊性」があるという。

 Jリーグと電通が共同で企画し、チームラボが開発したJリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」の構築・リリースなど、これまで多くの事業でプロマネを務めてきた下田社長。多くの人を巻き込んで円滑にプロジェクトを進めるために注意すべき点や、AIプロジェクトの特殊性などを聞いた。

プロマネは何をする人か

 下田社長によると、プロマネの仕事は大きく(1)プロジェクトの内容決定、(2)計画立案、(3)プロジェクトの管理(進捗や課題など)、に大別できる。まず何を作って何を達成するのかを明確にし、タスクを洗い出してスケジュールを立て、計画の進捗を管理して課題やリスクがあれば対処する。

 クライアントの課題をくみ取るヒアリング力、プロジェクトの全体像を把握し、それを誰もが分かる形に落とし込む論理的思考、多様なメンバーをまとめあげる巻き込み力、計画が予定通り進んでいるかを逐一確認する管理能力やコミュニケーション能力──求められるスキルを挙げるとキリがない。

 これら全てをこなせる“スーパーマン”は、なかなかいないだろう。しかし、社内でプロマネを立てるにしても、外部に依頼するにしても、それぞれで「押さえておくべきポイント」があることには変わりがない。一般的にプロジェクトを進める上でつまづきやすいとされるポイントとその改善策をまとめた。

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