パナソニック初のフルサイズミラーレス一眼「DC-S1R」はそのゴツさに相応しい、素晴らしい写りと使い勝手と重さの名機なのだった、とまあそういう結論である。
ミラーレス一眼というと、当初それをウリにしていただけに「軽くてコンパクト」ってイメージが先行するけれども、一眼レフに比べて「ペンタプリズムとミラーボックス」が不要な分、「小さく作ることができますよ」ってだけで、小さくなければミラーレスじゃない、ってことはないのだ。多少デカくても、重くても、それに必然性があれば機構的に一眼レフだろうがミラーレス一眼だろうが関係ないのである。ここ大事。
ではどんな必然性を持ったカメラなのか。
ハイエンドなボディとハイエンドな画質、それぞれチェックしてみたい。
ボディの質量は約1016グラム(バッテリーとSDカード含む)。まあざっくり「1キロ」と思っていい。ちなみに、一眼レフでいうと、キヤノンの「EOS 5D IV」が約890グラム、ニコンの「D850」が約1005グラムなのでハイエンド一眼レフと同じくらいと思っていい。ただ、ミラーレスな分、厚みがないのでそう大きくは見えず、高密度感がある。
標準ズームレンズである24-105mm装着時で約1.7キログラム。
なぜ重いのかというと、それは過酷なシーンにも対応できる堅牢性だったり(もちろん防塵防滴耐低温)、大きなバッテリーだったり、遠慮せずに必要なものは全部搭載した操作系だったりするわけで、その辺を理解して使う人のカメラなのだ。
実際、レンズを付けて構えると重量バランスはいいし、剛性感がすごくあって落ち着く。
手が小さい人だと辛いかもしれないけど、そうじゃなければ指先のちょっとした動きで使えるボタンやダイヤルが豊富にあって、ファインダーを覗いたまま多くの作業ができるのだ。
まずは右手のグリップ。
シャッターボタンの奥に前ダイヤル。手前にWB、ISO、露出補正と並び、グリップとマウントの間には2つのボタン。
上面には液晶パネルがある。
さらに後ろに回ると、右手親指が届くところにAF ON、フォーカスモード切り替えダイヤル(ここにあるとすごく便利)、AFエリアボタン、さらにAF用のスティックがある。
背面に回ると、十字キー兼ホイールがあり、その他ボタンがモニターの右側に並ぶ。
左肩にはモードダイヤルとドライブモードダイヤル。各種ボタンやダイヤルが不用意に回っても問題ないようロックレバーもある(何がロックされるかは設定可能だ)
この充実度はよい。
もちろんこれらのボタン類はカスタマイズ可能だ。
これだけボタンやレバーがたくさんあると覚えるのが大変……と思うかもしれないけど、理に叶った配置になっているのか、意外にとまどわない。
と、ディテールの話から始まっちゃったけど、全体像はこんな感じ。
上からと後ろから。
モニターを使ったタッチパッドAFも可能だけど、ボディが大きいぶんモニターまでが遠くて親指を伸ばしてタッチするのは大変。まあAF枠のコントロールはスティックを使うのが良い感じだ。
では実際に撮ってみるとしよう。
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