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素晴らしい写りと使い勝手と重さの名機、「LUMIX S1R」荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/4 ページ)

» 2019年05月05日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
パナソニックの「LUMIX S1R」を構えているの図。手が小さな人にはちょっと大きいが、ほどよい重量感でしっかり構えられる

 パナソニック初のフルサイズミラーレス一眼「DC-S1R」はそのゴツさに相応しい、素晴らしい写りと使い勝手と重さの名機なのだった、とまあそういう結論である。

 ミラーレス一眼というと、当初それをウリにしていただけに「軽くてコンパクト」ってイメージが先行するけれども、一眼レフに比べて「ペンタプリズムとミラーボックス」が不要な分、「小さく作ることができますよ」ってだけで、小さくなければミラーレスじゃない、ってことはないのだ。多少デカくても、重くても、それに必然性があれば機構的に一眼レフだろうがミラーレス一眼だろうが関係ないのである。ここ大事。

 ではどんな必然性を持ったカメラなのか。

 ハイエンドなボディとハイエンドな画質、それぞれチェックしてみたい。

1キログラム超のボディだが使い勝手はめちゃ良好

 ボディの質量は約1016グラム(バッテリーとSDカード含む)。まあざっくり「1キロ」と思っていい。ちなみに、一眼レフでいうと、キヤノンの「EOS 5D IV」が約890グラム、ニコンの「D850」が約1005グラムなのでハイエンド一眼レフと同じくらいと思っていい。ただ、ミラーレスな分、厚みがないのでそう大きくは見えず、高密度感がある。

 標準ズームレンズである24-105mm装着時で約1.7キログラム。

DC-S1Rに標準ズームの「LUMIX S 24-105mm F3 MACRO O.I.S.」を装着。ミラーレス一眼ならではの薄さを持つボディはバランスがいい

 なぜ重いのかというと、それは過酷なシーンにも対応できる堅牢性だったり(もちろん防塵防滴耐低温)、大きなバッテリーだったり、遠慮せずに必要なものは全部搭載した操作系だったりするわけで、その辺を理解して使う人のカメラなのだ。

 実際、レンズを付けて構えると重量バランスはいいし、剛性感がすごくあって落ち着く。

DC-S1Rを構えているの図。ちなみに構えてる彼女は左目が利き目だそうでこうなっております

 手が小さい人だと辛いかもしれないけど、そうじゃなければ指先のちょっとした動きで使えるボタンやダイヤルが豊富にあって、ファインダーを覗いたまま多くの作業ができるのだ。

 まずは右手のグリップ。

 シャッターボタンの奥に前ダイヤル。手前にWB、ISO、露出補正と並び、グリップとマウントの間には2つのボタン。

 上面には液晶パネルがある。

グリップ部。シャッターボタンに置いた人差し指をちょっと動かせば、WB/ISO/露出補正、前ダイヤルにアクセス。グリップの奥にあるボタンは中指や薬指で

 さらに後ろに回ると、右手親指が届くところにAF ON、フォーカスモード切り替えダイヤル(ここにあるとすごく便利)、AFエリアボタン、さらにAF用のスティックがある。

フォーカス周りの機能がこうして近くにまとめられているのがすごく分かりやすい。

 背面に回ると、十字キー兼ホイールがあり、その他ボタンがモニターの右側に並ぶ。

モニターの右には十字キー兼ホイールも。専用の戻るボタンがあるのも良し

 左肩にはモードダイヤルとドライブモードダイヤル。各種ボタンやダイヤルが不用意に回っても問題ないようロックレバーもある(何がロックされるかは設定可能だ)

左肩は撮影モードとドライブモード。撮影モードダイヤルはボタンを押しながら回す。

 この充実度はよい。

 もちろんこれらのボタン類はカスタマイズ可能だ。

各ボタンは自在にカスタマイズ可能(このカスタマイズはわたしがあれこれ試してる最中のものなのでデフォルトではありません)。

 これだけボタンやレバーがたくさんあると覚えるのが大変……と思うかもしれないけど、理に叶った配置になっているのか、意外にとまどわない。

 と、ディテールの話から始まっちゃったけど、全体像はこんな感じ。

 上からと後ろから。

 モニターを使ったタッチパッドAFも可能だけど、ボディが大きいぶんモニターまでが遠くて親指を伸ばしてタッチするのは大変。まあAF枠のコントロールはスティックを使うのが良い感じだ。

上から全体を。大きめの液晶パネルが特徴

 では実際に撮ってみるとしよう。

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