回転すしチェーン「スシロー」を運営するあきんどスシローは5月13日、「Google アシスタント」を活用した来店予約の受付を始めた。ユーザーがスマートフォンに「Ok Google、スシローで今から4名」などと話し掛けると、位置情報を活用して近隣の店舗をレコメンド。行きたい店舗を口頭で伝えると予約が完了する流れだ。
端末に「スシローでいつもの店舗登録」と話し掛けて行きつけの店を登録し、受付の簡略化を図ることもできる。「スシローでまいどポイントをためたい」と話し掛けることで、割引などに使える同ポイントも来店時に獲得可能になる。
あきんどスシローによると、Google アシスタントを活用した予約受付は、国内の大手回転すしチェーンで初。飲食業界全体でも珍しい取り組みという。米Googleが公開しているAPIを活用し、外部企業と共同開発することで、今回の仕組みを実現した。
家事をしている際や、ドライブ中、外出中などの利用を想定。従来も「スシローアプリ」上での来店予約に対応していたが、予約方法を充実させて他社との差別化を図り、国内回転すし市場トップの座を固める狙いがある。
あきんどスシローの持ち株会社、スシローグローバルホールディングス(GHD)の小河博嗣執行役員は「アプリの操作には煩わしさが伴う。予約を簡略化することで、『お腹が空いた。どこに食事に行こうかな』とふと思った顧客を、競合他社に先駆けて取り込みたいと考えた」と説明する。
「Googleとすし屋はミスマッチなコラボレーションに見えるかもしれないが、Android端末のほとんどに搭載されている技術を活用し、年間1億5000万人の来店者にもっと便利にスシローを利用してもらいたい」(小河執行役員)という。
「Siri」には未対応だが、iPhoneユーザーもGoogleアシスタントアプリをダウンロードすることで一連の予約サービスを利用できる。
あきんどスシローはIT活用に注力しており、自社のインフラにAmazon Web Services(AWS)を導入し、Webサイト基盤やデータ分析、顧客管理などに活用中だ。今回の施策でも、ユーザーの発話内容を音声認識した後、人数、時間、店舗などの情報をAWS上の予約受付システムに送信する仕組みを採っている。
Googleがサードパーティー向けに開放していないことから断念したものの、当初は車載システム「Android Auto」との連携も視野に入れており、カーナビに「スシローに行きたい」と話し掛けると予約ができる仕組みも構想していたそうだ。
今後も社内外でのIT活用を加速させていく方針で、スシローGHDの水留浩一社長は「キャッシュレス決済が使える店舗や、対応する決済方法を増やし、もっと店舗を進化させたい。詳細はまだ非公開だが、さまざまなテクノロジーを盛り込んだ店舗を6月にオープンする計画もある」と明かした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR