全体会議には大山晃弘社長をはじめ、経営陣や各部署の関係者が集結する。開発担当者は新商品をプレゼンして社長の決裁を仰ぎ、OKが出ればすぐに商品開発に着手できる。こうした開発体制は、年間1000点以上の新商品(家電以外も含む)を生み出せる理由の1つでもある。年齢や役職は関係なく、若手でもプレゼンの場に立てるのも特徴だ。
同社は「なるほど家電」をコンセプトに、お得感のある価格で消費者にとって必要な機能のみを搭載した商品を提供する考えを貫いている。家電市場でどれだけのシェアを獲得できるかや、マーケティング調査の結果よりも、「消費者は日常生活をする中でどのような不満やニーズを持っているか」を徹底的に考える。
例えば先述したキャニスティッククリーナーは、「本体サイズの大きいキャニスター型掃除機だと掃除のたびに引っ張り出すのは面倒で、ワイヤレススティッククリーナーだと充電が煩わしい」という不満を解決するために、両者のメリットを組み合わせた商品だ。開発担当者はゲーム企業でクレーンゲームを開発していたというから驚きだ。
「前の会社で炊飯器を作っていた人が当社でも炊飯器を作るとは限りません。例えばドライヤーの企画を考えようという場合、電子レンジ、空気清浄機などいろんな分野の担当者たちが集まって自由に議論するのでユニークな商品が生まれるんです」(石垣氏)
最近はスマートスピーカーと連携するLED照明やルームエアコンなどを発売し、高機能化が進んでいるように思えるが同社は家電事業をどのように展開しようと考えているのだろうか。
石垣氏は「決して高機能化を目指しているわけではなく、あくまで消費者にとって便利な機能だけを搭載します。生活者の金銭的負担を軽くしないと商品は普及しないですから。LED照明とエアコンは、音声で操作できると便利なのでスマートスピーカーと連携させました」と説明する。
「高齢者やお子さんがいる家庭など、これからも生活シーンを想像しながら商品のラインアップを増やしていきます」(石垣氏)
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