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「僕が逮捕された事を知っていますか?」 村上世彰氏がN高で講義、投資と歩んだ半生語る(3/3 ページ)

» 2019年05月22日 20時36分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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お金は汚いものではない

 生徒との質疑応答では、村上氏がN高で教鞭を取ることを決めた理由についての質問が飛んだ。これに対する村上氏の回答は、「『お金は汚いものではない』『稼ぐのは悪いことでない』ということを伝えるために来た」。

 「皆さんに投資家になってほしいと思わないが、投資する経験から何かを感じてほしい。部活動で利益を得た場合も、『何かを買いたい』というよりは、『こういう人を幸せにしたい』『こんな企業を買いたい』といった使い道を考案してほしいし、そういう人を仲間に加えたい」

 好ましい使い道の例は、ZOZOの前澤友作社長が“100万円プレゼント企画”で芸術家志望者にお金を配ったこと。「ZOZOの株価は下がったが、彼はものすごい経済効果と(人の)心を温める効果を生んだ。これもお金がなければできなかったこと。お金があれば、多くの人を幸せにできる」

photo 自著の内容を紹介する村上世彰氏

10年間ノーギャラ

 今は「一生遊んで暮らせるだけの資産がある」という村上氏は、税金対策も兼ねてこの10年間は“所得ゼロ”で活動しており、投資部での仕事もノーギャラ。仕事のオファーを受けるか否かは、やりがいや意義で判断しているという。特別顧問も「(1年間やってみて)しょうもない、と感じたら辞める」とのことだ。

 村上氏の体験談に聞き入り、質疑応答では積極的に挙手するなど、受講中のN高生の表情は真剣そのものだった。繰り返し手を挙げて意見を述べる人もおり、出席した生徒全員が講義中に発言した。

 村上氏は最後に「恋をした時、相手に好かれたら自分も幸せ。生徒みんなが成長してくれて、喜んでくれることが一番うれしい」と晴れやかな表情で語り、講義を締めくくった。

photo 真剣な面持ちで聞き入るN高生
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