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クルマの「幼児置き去り検知システム」、ヴァレオジャパンが披露人とくるまのテクノロジー展

» 2019年05月22日 21時58分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ヴァレオジャパンは、「人とくるまのテクノロジー展」(5月22〜24日、パシフィコ横浜)で車載用の「幼児置き去り検知システム」を展示している。小型のミリ波レーダーを使って生体を検知し、必要に応じてアラートを出す。2022年の製品化を目指している。

 ヴァレオジャパンは、フランスの大手自動車部品メーカーであるValeoの日本法人。以前は内装部品を中心に手掛けていたが、近年は自動運転車向けのカメラやLiDARなどにも力を入れている。

 幼児置き去り検知システムは、自動運転車の前方監視用レーダーなどに使われるミリ波レーダーの技術を応用。70G〜80GHz帯の電波でキャビン内の“動くもの”を捉える。

天井などに設置する小型ミリ波レーダー

 車内に設置するレーダーはおよそ10センチ角の手のひらサイズで、出力も0.01mWと低い。しかし、呼吸などわずかな動きも反応するため、例えば子どもやペットやがふとんの下に隠れていても検知できるという。キャビンのヒートマップ表示で居場所も一目瞭然(りょうぜん)だ。

キャビンのヒートマップ表示で居場所も分かる

 「クルマが停止して数分が経過しても反応がある場合、スマートフォンなどにアラートを送るといった使い方を想定している」(ヴァレオジャパン インテリアコントロール製品部 システム部 システムエンジニアの中島将行氏)。

 ただし、飼い主や親が意図的に置き去りにした場合、アラートを見て戻ってくるとは考えにくい。このため、車内温度や経過時間などの情報と一緒にアラートを送る、あるいは警察など第三者に通報するといった運用も考えられるとしている。

 「欧州ではユーロNCAP(※)が“置き去り検知”機能の規格化を進めている。それに合わせた機能を追加し、(規格化が終わる)2022年ごろに製品化したい」(中島氏)

※ユーロNCAP(European New Car Assessment Programme)。独立した消費者団体が実施する自動車の安全性試験プログラム

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