自由に動き回れる6DoF対応のVRヘッドセットは、プレイヤーが現実の壁や障害物に当たらないようにプレイエリアを指定しておく機能があります。Oculus Questでは、カメラで写した周囲の様子を見ながら、床に線を書いてプレイエリアを指定する「ガーディアン」というシステムがあります。
ガーディアンでプレイエリアを指定すると、そこに仮想的な壁が浮かびます。壁に近づくと網目状のガイドが表示されるので、ゲームに夢中になっていても現実の障害物を避けられる──という仕組みです。Wi-FiのSSIDごとにプレイエリアを記録しているようで、会社と家を行き来しても、それぞれのプレイエリアを自動で切り替えてくれます。
ちなみにOculus Questでは、壁を無視して外に出ると、現実世界をカメラで写した白黒映像に切り替わります。つまり、VRヘッドセットを着けたまま飲み物を取りにいったり、ソファに座ったりできます。
これはケーブルレスのOculus Questだからこそできる唯一の体験で、VRと現実が融合する感覚は絶妙です。VRゲームをプレイする以上に、スタンドアロンVRヘッドセットの将来性を感じたり、わくわく感を得られたりする部分かもしれません。
これまでのハイエンドVRは、「あの周辺機器も買いそろえなければ十分に楽しめない」「自宅にセンサーを設置するなら、こんな工夫が必要だ」「PCのスペックは○○以上で」──といった、手にした者にしか分からない細かな苦労や手間があります。新しいもの好きの人以外には、購入を勧めづらいのが正直なところでした。
Oculus Questは、これ一つで完結する、現時点で最高クラスのVR体験を楽しめるオールインワンデバイスといっても過言ではありません。完成度の高い現状に満足せず、さらなる進化を期待してしまいます。
ハイエンドVRのすごさを手軽に知ってもらえる現時点で最強のVR布教マシンです。VRの入門機ではなく普及機として、未体験の方はぜひ試してみることをお勧めします。
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