NECは6月20日、生後2時間の新生児の指で指紋認証を行うことに成功したと発表した。生まれてすぐに生体情報を記録することで、出生証明やワクチン接種の記録などの個人識別に役立つ。
同社は長崎大学熱帯医学研究所と共同で生後1年未満の新生児や乳児を対象とした実証実験をケニアで行った。新生児の指紋を正確に捉えるため、10マイクロメートルの受光素子を持つ分解能の高いイメージセンサーを採用。指紋の模様を強調する特殊ガラスと組み合わせることで高精細な指紋のスキャンを可能とした。
撮影時に指が動くことで生じるブレを抑えるため、1秒間に指紋を撮影する回数を2回から7回に高速化。センサーにブレ防止機能も搭載した。指紋の撮影時に作業者が新生児の指を押し付けすぎたり、指の方向がずれたりすることを防げるように撮影機材をデザインしたという。
同社は今後、新興国における新生児の生体認証や国民IDシステムでの利用に向けて実用化を目指す。
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