メルカリは6月27日、法人向けイベント「KDDI 5G SUMMIT 2019」で、フリマアプリ「メルカリ」に出品された商品の3Dモデルをスマートグラス越しに見られるアプリ「Mercari Lens」を披露した。手元にある靴や服などに似た商品を検索し、3DモデルをAR(拡張現実)で表示できる。
KDDIと提携した中国nrealのスマートグラス「nreal light」(エンリアルライト)で、記者が実際に試してみた。
スマホでMercari Lensを起動し、欲しい商品をカメラで撮影すると、メルカリに出品されている似た商品の3Dモデルを画面上でAR表示する。スマートグラスのnreal lightと連携させれば、レンズ越しに3Dモデルを現実の風景に重ねて見られる仕組みだ。
出品者があらかじめ商品の3Dモデルをスマホでスキャンしておくことで、Mercari Lensユーザーは、3Dモデルに近づいて商品のサイズや傷、汚れなどを確認できる。
いずれは商品の認識から類似品の3DモデルのAR表示までをスマートグラス側で完結させることを目指す。5Gによる通信が実現すれば、3Dモデルのダウンロードが高速化されて快適なAR体験が可能になるとしている。
nreal lightはPCやAndroid端末とコード1本で接続してAR機能が使えるスマートグラスだ。約88グラムと軽量で、VIVEやOculusのVRヘッドセットで感じるような首の負担はほぼなく、見た目もサングラスを掛けているのとほとんど変わらない。
nreal lightはスマホ側で処理を行うため、単体では動作しない。実際に装着してみたところ、サングラスとスマートフォンがひもでつながっているような感覚で、スタンドアロンで動くVRヘッドセットと同様に外に持ち出して使うことも難しくない。
歩きながらも使えるが、「歩きスマートグラス」も歩きスマホ同様に危険が伴うため、歩行中にはARを使えないようにするなどの対策を検討しているという。
Mercari Lensはメルカリの研究組織「mercari R4D」で、VR(仮想現実)やARなどの活用を研究する「xRチーム」が開発。開発担当者によると、他にもスマートグラスがある中でnreal lightを選んだ理由は、「一般向けの販売が予定されていることも理由の一つだが、PCやAndroid端末などの処理を行う装置とスマートグラスを1本のケーブルで有線接続するので、技適(技術適合証明)を取得する必要がないことは日本で都合がいいため」と話す。
アプリの使い勝手の改善や、商品の3Dモデルを出品者がスマホでスキャンする必要があるなどの課題があるため、nreal lightの発売や5Gサービスの開始に向けて改善を続けるという。
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