「フリーランス」は老後をどう設計するべきか(1/2 ページ)
7月上旬に金融庁が発表した「老後資産が2000万円必要」という試算が、波紋を広げている。すでに現時点で2000万円足りないのであれば、現在の年金給付を抑えて未来の年金給付へスライドさせ、平均化する改革は難しくなる。政府としては火消しに必死だが、別の試算では3000万円近く必要という数字も飛び出すなど、すでに炎上状態にある。おそらく参院選の争点にもなるだろう。
すでに年金は、払った額ほどはもらえないことは確定している。なぜならばこの制度は未来の自分への積み立てではなく、現役世代が老後世代へ今お金を送る、「仕送り制度」にしか過ぎないからだ。払う側の人数が多く、受け取る側の人数が少なければ成立するが、逆転すれば破綻する。そのため年金事業は資産運用をして不足分をカバーしようとしたが、それも失敗して傷口を大きくしてしまったのが、現在の年金破綻に至る道筋である。
それはすでに多くの人がご存じのところだとしても、今回の2000万円が騒動になったのは、この2000万円という数字が非常に生々しい金額だからである。2017年に総務省が発表した家計調査報告によれば、1世帯当たりの貯蓄額の平均値は1812万円。
みんなそんなに貯金しているのかと驚かれるかもしれないが、実際にはこの数字を引き合いに出すのは正しくない。なぜならば、この調査における貯蓄額は、金融機関への現金貯蓄だけでなく、生命保険等の掛金等も含まれるからである。生命保険は死亡すれば支払われるが、生きているうちに使えるお金ではない。
つまり、今手元に2000万円の現金預貯金がない状態で運悪く長生きしてしまったら、生命保険の保険料払い込み期間完了を待って解約し、解約返戻金を手に入れるという方法もあり得る。死亡した時の保険金はなくなるが、生きているうちに迷惑をかけたくないという人は、そういう選択をするケースが増えるだろう。今度は、生命保険というシステムが破綻する可能性も出てくる。
筆者は今55歳なので、保険料支払期間完了まであと5年。一般的に定年と言われる年齢まではあと10年ある。現在持病らしい持病もないようだし、あと10年ぐらいは生きていられそうだ。
最悪のケースを想定していくと、10年後に現在かけている生命保険を解約すると、だいたい1500万円ぐらいは手に入るだろう。それ以降の病気・入院の際は掛け捨ての損害保険でカバーするとして、あと10年かけて残り500万円をなんとかするという事になる。
ただ、現在育ち盛りの子供が3人、10年後には一番下の子が22歳。残り10年で500万円の貯金も、怪しくなってくる。そうなると、65歳でハイ定年、というわけにはいかなくなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性“PoCフライング公開”の経緯、支援財団が公表 混乱広げた企業を名指しで批判
-
2
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
3
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
4
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
5
カプコン、1177万件漏えい 不正アクセスで
-
6
高市総理、サイバーセキュリティの本を出していた しかも“PHP”から
-
7
旅行ゲーム「ワールドクエスト」、PHP脆弱性で即日サービス終了 「古い仕組みのため対策とれず」
-
8
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
9
「GitLab」に深刻度“最大”の脆弱性 認証なしで任意のコード実行の恐れ、修正版適用を CVSS「10.0」
-
10
認証局eMudhraの中間証明書、秘密鍵が「数ミリ秒」で復元可能な脆弱性 大手各社が緊急遮断
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR