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何でも撮れる“程よい”カメラ「LUMIX G99」荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2019年07月20日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
パナソニックのDC-G99。オーソドックスな一眼レフスタイルのミラーレス一眼で、サイズ感も質感も実によくて構えやすい

 今や「デジタル一眼」といえば「ミラーレス一眼」を指す時代に突入……、にいずれなるだろうなと思わせる2019年。でも目立つのはフルサイズミラーレス一眼、続いてAPS-Cサイズミラーレス一眼で、ミラーレス一眼市場を引っ張ってきたマイクロフォーサーズはどうしたー、と思わないでもないのだけどもちろん座して見ているだけではないのだった。

 程よいカメラが出てきたのである。

 パナソニックの「LUMIX G99」(DC-G99)。

 またややこしいネーミングであるが、それはどんな位置付けのカメラなのか。

 初代ミラーレス一眼の系譜を受け継ぐGシリーズは、G8(DC-G8)からG9(日本ではG9 Proと名付けられた)への進化の過程でスタンダードモデルからハイエンドに行っちゃった。G9 Proは実に良いカメラで評価も高いけれども、初代ミラーレス一眼を受け継ぐカメラとしてはハイエンドに行きすぎてしまった。

 そこにG99である。G9 Proの弟分的なボディでありながら、実質的にはG8の後継機。G9 Proで評判の良い部分を正統派Gシリーズで、という感じの汎用性が高い清く正しいミラーレス一眼なのである……たぶん。

広角から望遠まで何でも撮れる汎用のG99

 DC-G99は、Gシリーズの使いやすさを受け継いだ中級のデジタル一眼。画素数は2030万画素と、DC-G8の1600万画素からワンランクアップしてる。もちろんボディ内手ブレ補正は搭載。手ブレ補正搭載レンズ(ただしパナソニックのレンズに限る)と組み合わせてより手ブレ補正効果を高める「Dual I.S.2」対応だ。

 望遠レンズを付けたときの「Dusl I.S.」はかなり良い。

 せっかくなので望遠ズーム+1.4xのテレコンバーターをお借りして鳥を狙ってみた。

G99にライカブランドの50-200mm/F2.8-4.0を装着。さらに1.4xのテレコンバーターで560mm相当に

 200mmに1.4xで280mm。マイクロフォーサーズなので35mm判換算にすると560mm相当となる。

曇天下だが実に色はしっかり。アオサギの羽の風合いが出るようちょっとだけマイナスの補正をかけて池の中の島にいるところを狙ってみた(50-200mm+1.4x 280mm 1/400秒 F5.6 -1/3 ISO400)

 多少重いレンズを付けても、ボディは薄くて深くて中指が当たる部分がほどよくえぐれたグリップ形状のおかげで握りが安定して非常に持ちやすい。この機能的なデザインはよく考えられてていい。

グリップは薄くて深めでシャッターダイヤル下のえぐれに指がかかるので握りやすい

 防塵防滴設計で作りもしっかりしている。

 EVF(電子ビューファインダー)は35mm判換算で約0.74倍と標準的でOLED(有機EL)を採用。大きくて見やすい。AFもコントラスト検出ながら空間認識AFで非常に高速だが、さすがに飛んでいる鳥に対応するのはきつかった。

 こちらはアオサギが池で捕まえた魚を加えて木の上に戻ってきたところ。

アオサギを何枚も撮影したが、ピントが目にピシッときてないカットもあり、動くものはちょっと難しいかも、とは思った。でもこの瞬間はきっちりと撮れてた(50-200mm+1.4x 280mm 1/250秒 F5.6 -1/3 ISO200)

 連写はAF追従+メカシャッターで約6コマ/秒。AF固定だと約9コマ/秒と早くなる。

 こちらはAF-Cで連写した列車。レンズはキットレンズの14-140mmを使用。こういうシーンなら動きものでもしっかり追従してくれる。

走ってくる列車を1/250秒で連写した中の1枚(14-140mm 140mm 1/250秒 F5.6 ISO640)

 お馴染みの「4Kフォト」を使った連写も可能だ。1枚当たり800万画素相当になるけれども。「6Kフォト」を使えたらもっと実用的だったのだが。

 G99にシグマの30mm F1.4を装着、4Kフォト機能を使い、じゃれている子猫を撮ってみた。

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