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講談社、クラウドファンディングで立命館大と提携 研究者を支援

» 2019年07月25日 17時34分 公開
[村上万純ITmedia]

 講談社は7月25日、同社のクラウドファンディングサイト「ブルーバックス・アウトリーチ」(BBO)で、立命館大学と提携すると発表した。同大の研究を資金調達の面で支援する。

左から講談社の野間省伸社長、立命館大学の仲谷善雄学長

 BBOは、自然科学の研究に特化したクラウドファンディングサイト。科学分野の新書を扱う講談社のブルーバックス編集部がその知見を生かし、資金援助を募りたい研究者のプロジェクトをサポートする。具体的には、支援者への返礼品やサイトの説明文、研究活動を広める広報記事などの企画・製作、商品の発送などを支援するという。

クラウドファンディングサイト「ブルーバックス・アウトリーチ

 サイトの利用料は無料で、講談社がプロジェクトの起案者から手数料をもらう仕組み。支援金の支払いは、目標金額を達成し、募集期間が終わったときに発生する。寄付型プロジェクトの場合は目標金額に達しない場合でも研究機関に支援金を払う。

※現在掲載中の立命館大学発の4プロジェクトについては、目標金額を達成した場合のみ支払いが発生するAll-or-Nothing方式を採用

 講談社は7月2日にBBOを開設。25日時点では自社と立命大のプロジェクトのみを掲出しているが、他の大学や研究機関の研究者もサイト内からプロジェクトを応募できる。

なぜ講談社がクラウドファンディング?

 立命館大学の仲谷善雄学長は、25日に開催された発表会で「研究資金の在り方は多様化しており、政府や民間企業からの獲得のみならず、個人レベルの資金獲得が重要な役割を果たしている」と説明。研究者にとって既存のクラウドファンディングサイトを使うことはハードルが高いため、ブルーバックス新書でつながりのあった講談社との提携を決めたという。

科学分野の新書を扱う講談社の「ブルーバックス」シリーズ

 講談社の野間省伸社長は「科学分野に特化し、研究者を広くサポートするのが他のサイトとの違い。出版社が持つ発信力と、読者に科学新書を届けてきたブルーバックス編集部の経験を生かし、科学を身近で面白いものにしたい」と意気込みを語った。

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