アスクルは7月26日、ヤフーに対してアスクル株式の売り渡し請求権を行使するため、8月1日午後に取締役会を招集すると発表した。株式の売り渡し先については、既に複数の候補と交渉中という。
アスクルによると、株式の売り渡し請求権はヤフーとの資本業務提携に基づくもので、一方が契約内容に違反した場合に請求できる。アスクルは取締役の選任プロセスなど、ヤフーが複数の項目に違反したとしている。
アスクルとヤフーは、2012年4月に資本・業務提携を締結し、同年10月にECサイト「LOHACO」の共同運営を開始した。15年にはヤフーによる出資比率を約45%に引き上げるなど提携を強化している。
しかしヤフーは、LOHACO事業で赤字が続いていることやアスクルの業績が低迷したことを問題視。19年1月にLOHACO事業の譲渡を、6月にはアスクル岩田彰一郎社長の退陣を求めた。
ヤフーは、アスクルが8月2日に開く株主総会の取締役選任議案について、岩田社長の再任に反対する議決権を行使したと発表している。約11%の株式を持つ第2位株主のプラスも同様の発表をしており、このままでは岩田社長の退任は避けられない。起死回生を狙うアスクルは、株主総会前日の現取締役会で株式の売り渡し請求を決議する考えだ。
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