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KDDI、19年4〜6月期は増収減益 HUAWEIスマホの販売再開や、楽天参入に合わせた新プラン導入を検討へ(1/2 ページ)

» 2019年08月01日 20時12分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 KDDIが8月1日に発表した2020年3月期第1四半期(19年4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.0%増の1兆2461億円、営業利益が11.4%減の2558億円、最終利益は9.0%減の1626億円と増収減益だった。金融事業などは堅調に推移したものの、3G通信設備の減価償却費や、一部スマートフォンの評価損を計上したことが減益につながった。

 同社の高橋誠社長は明言を避けたが、評価損を出した端末は、米国による制裁の影響で5月末に発売を延期していた中国Huawei製の「HUAWEI P30」シリーズとみられる。高橋社長は決算会見で、「現在、HUAWEI端末の販売再開に向けて各所と詰めている。お客さまにご迷惑が掛からないことが分かればお届けしていきたい」と販売再開を示唆した。

photo KDDIの2020年3月期第1四半期(19年4〜6月)の連結業績

新ピタット・フラットの影響は軽微

 通信事業や金融事業などを含む「パーソナルセグメント」の業績は、売上高が2.9%増の1兆899億円、営業利益が15.0%減の2179億円だった。

 主力の通信事業では損失を計上したものの、au契約数が下げ止まった他、「UQ mobile」などのMVNOを含むグループ全体の契約数が1.6%増の2703万件に拡大するなど一定の成果を得た。au契約者による総合ARPA収入(通信料金と、周辺サービスの料金を合わせた売上)も、3.2%増の5473億円に拡大した。

 KDDIは6月1日に料金プランを刷新し、各種割引を併用すると従来よりも最大4割安くなる「新auピタットプラン」「auフラットプラン 7プラス」の提供を始めた。高橋社長は、両プランを投入した効果について「分離プランは以前から提供しており、プラス面・マイナス面ともに、業績に大きな影響はない」と説明するにとどまった。

楽天参入に合わせた新プラン導入を検討へ

photo KDDIの高橋誠社長

 今後に向け、7月26日からは、月間のデータ容量に上限を設けない「auデータMAXプラン」を提供している。同プランの進捗状況について、高橋社長は「まだ始めたばかりで、(利用者は)数%程度だが、想定通りの数字だ。定額制の料金プランにいろんな工夫をし、5Gにつなげたい」と話した。

 一方、総務省は携帯キャリアに向けて、契約解除金の上限を1000円、端末代金の値引き額の上限を2万円に抑える省令案を6月に提示しており、今秋にも施行するとみられる。10月には楽天の参入も控えているため、国内通信市場の先行きは不透明だ。

 KDDIは総務省の移行を踏まえ、「アップグレードプログラムEX」(48回の月賦払いでスマホを購入し、24カ月使用した後に機種変更した場合は、残りの割賦金が無料になるサービス)の新規加入受け付けを9月30日に終了するなど、早急に対応を進めている。楽天の動向次第では、新たなプランを出す可能性もあるという。

 高橋社長は「(市場に)いろんな環境変化が起こっており、アジャストしていかねばならない。(アップグレードプログラムEXの新規受け付けを行わない)10月1日以降、どのような形で端末を販売するかは検討中だ。(auの新プランは)現時点でお話できることはないが、楽天の動きを見ながら検討していきたい」と語った。

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