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KDDI、19年4〜6月期は増収減益 HUAWEIスマホの販売再開や、楽天参入に合わせた新プラン導入を検討へ(2/2 ページ)

» 2019年08月01日 20時12分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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金融事業への注力が奏功

 第1四半期にパーソナルセグメントの中で特に好調だったのは、金融・コマース・エネルギーなどの「ライフデザイン領域」。売上高は39.6%増の2750億円、営業利益は15.2%増の380億円と大きく伸びた。

 KDDIは同領域に注力するため、4月1日付で金融事業を統括する中間持ち株会社「auフィナンシャルホールディングス」を設立。三菱UFJ銀行と折半出資していたじぶん銀行(現・auじぶん銀行)の持ち株比率を引き上げて連結子会社した他、カブドットコム証券へのTOB(株式公開買い付け)による出資も行い、体制を強化していた。

 高橋社長は「ほぼ全領域の金融子会社をそろえることができた。今後は大規模なM&A(企業の買収・合併)を行う予定はなく、各社の機能を強化し、しっかりと成長を目指していきたい」と自信を見せた。

7payは「ひとごとではない」

photo 「au PAY」は好調だったが、7pay問題は「ひとごとではない」という

 4月に始めたモバイル決済サービス「au PAY」も好調で、7月末には累計登録者数が400万人を突破した。ただ、くしくも8月1日に、セブン&アイ・ホールディングスが、不正ログインの被害が相次いだ「7pay」を9月末に終了すると発表。世間では、キャッシュレス決済の安全性を疑問視する声が上がっている。

 高橋社長はこの状況を受け、「セキュリティの穴を突く攻撃が増えており、7payの問題はひとごとではない。当社のau PAYは2段階認証を採用している他、月額チャージ額の上限を設けるなど、セキュリティを強固にしている。今後もしっかりと対応していきたい」と語った。

業績予想は据え置き

 第1四半期は増収減益となったが、「通期計画に占める進捗率は25%と順調であるため、変更の必要はない」(高橋社長)との考えから、20年4月期の通期業績予想は売上高が2.4%増の5兆2000億円、営業利益が0.6%増の1兆200億円、最終利益が0.4%増の6200億円のまま据え置く。

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