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文系記者が「データサイエンティスト育成スクール」に通った結果半年間の取材体験記(2/6 ページ)

» 2019年08月20日 07時00分 公開
[村上万純ITmedia]

スクールでは何が学べる? 事前準備に必要なもの

 「編集記者からデータサイエンティストに転職できるかもしれない」――そんな下心もありつつ、記者は受講を決めた。期間は2018年12月〜19年7月。体験取材といいつつ他の受講生と同様、仕事の合間に勉強した。

 データミックスのカリキュラムは「ブートキャンプ」「ベーシック」「アドバンス」「インテグレーション」の4ステップで構成される。ブートキャンプでは統計学や機械学習の基礎、Python、Rによるプログラミングの基礎を学び、ベーシックではグループワークなどを通してより実践的な演習に取り組む。アドバンスで画像処理や自然言語処理といった専門的な技術を身に付けたら、その集大成としてインテグレーションで卒業プロジェクトに取り組む──という流れだ。

カリキュラムの構成。Excelを使って基本的なデータ分析スキルを学ぶ「準備ステップ」も用意している(データミックスより)

 この講座のゴールは「高度なデータ分析技術を用いてビジネス課題を解決できるようになること」だ。データを活用することで企業や業務を変えていこうとするビジネスパーソンを支援することが目的なので、社会経験のない学生は受講できない。

 全カリキュラムを受講する場合、半年間で授業料72万9000円(税込)が掛かる。決して安い金額ではないので、受講の判断は無料説明会に参加してから決めるという流れだ。カリキュラムはステップごとに受講可能なので、「まずは雰囲気を知るためにブートキャンプだけ参加してみたい」というやり方もできる。

 記者はブートキャンプからインテグレーションまでの全ステップを体験した。体験取材という名目なので授業料は免除されたが、後述するように入試対策講座や授業で使うためのMacBook Air、専門書の購入などで結局20万円弱は使っている。

受講を機に「MacBook Air」を購入した

 本講座を受講するには、Pythonと数学のレベルを測るための入学試験に合格する必要がある。記者の数学の知識は微分やベクトルで止まっており、プログラミングの経験も乏しいため、データミックスが用意した入試対策講座も受講した(こちらは自腹)。試験内容の詳細は明かせないが、高校数学レベルの知識があり、無料のオンライン教材などでPythonの基礎を一通り学んでいれば合格できるレベルなので、自信がある人は対策講座を受ける必要はない。試験は、対策講座を受ければほぼ間違いなく合格できるだろう。

 試験に無事合格した後は、授業で使うPCの準備だ。推奨されるノートPCのスペックは、メモリが4GB以上(できれば8GB)、ストレージがSSDで256GB以上、HDDで1TB以上。仕事で使うノートPCにPythonやRなどをインストールするわけにもいかないので、MacBook Airを購入することにした。プログラミングはJupyterNotebookやRStudioなどの環境で行う。受講生はMacbook Proを使う人が多かったがWindowsのPCを使う人もいた。データサイエンティストへのキャリアチェンジを考えている人は、Macbook Proを買うのが無難だろう。

 授業は対面形式で、1週間に1度、データミックスのオフィスで3時間行う。講義内容は動画撮影されているので、分からなかった箇所は後から動画で復習できる。授業は木曜の夜と土曜の午前、午後から選べ、記者は主に土曜の午後に通った。仕事の合間やプライベートの時間を使って予習、復習を行うので、今振り返るとなかなかハードな半年間だった。

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