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» 2019年08月30日 15時57分 公開

クラウド電話APIの「Twilio」が日本法人設立 コールセンターシステムなど拡販

クラウド電話APIを提供する米Twilioが、日本法人「Twilio Japan」を設立。従来はKDDIウェブコミュニケーションズに営業活動などを一任していたが、今後は日本法人がマーケティングや直接販売を担う。コールセンターシステム「Twilio Flex」など4商品の普及に力を入れる。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 クラウド電話APIを提供する米Twilio(トウィリオ)は8月30日、日本市場でのさらなる事業拡大を目指し、日本法人「Twilio Japan」を設立したと発表した。従来はKDDIウェブコミュニケーションズ(KWC)に営業活動などを一任していたが、今後は日本法人がマーケティングやブランディング、直接販売を担う。パートナー企業による販売も行い、Twilio Japanが各社のセールス活動を支援する。

 米Twilioは2008年創業。Webサイトやアプリケーションに数行のコードを書き加えるだけで、音声通話機能やSMS送受信機能、チャット機能などを組み込めるクラウドAPIを提供している。日本市場には12年に参入し、KWCと業務提携。13年にサービス提供を始めた。Twilioのサービスは、日本ではヤフーやリクルートライフスタイル、本国では米Morgan Stanleyや米Netflixといった企業が採用している。

photo Twilio Japanの今野芳弘社長(=左)、米Twilioのアンジー・ベル氏(=中央)、KDDIウェブコミュニケーションズの山崎雅人社長(=右)

 日本法人の設立背景には、国内でデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集め、クラウド市場が急拡大していることがあるという。米Twilioのアンジー・ベル氏(APAC地域担当バイスプレジデント)は「日本には大きなビジネスチャンスがあると確信しているが、まだTwilioを知らない人がいるかもしれない。(状況を変えるべく)日本市場での認知度を高めたい」と意気込む。

コールセンターシステム「Twilio Flex」など拡販へ

 同社の主力製品「Twilio Flex」は、顧客企業にかかってきた電話や届いたメッセージを同システムに集約し、自動応答で用件を聞いた上で、オペレーターに担当を振り分ける機能を持つ。顧客企業のデータベースと連携し、電話やメッセージの主の情報を呼び出し、事前にオペレーターに通知することで、やりとりを円滑化することも可能だ。電話だけでなく「Facebook Messenger」や「LINE」にも対応する。顧客接点の拡大や、オペレーターの負担軽減につながるのがメリットだ。

photo 「Twilio Flex」の特徴(=KWCの公式サイトより)

 同じく「Programmable VOICE」は、(1)Web上で電話番号(国内では050・0120・0800)を購入できる機能、(2)かかってきた電話を自動で受け、事前に登録したテキストを合成音声で読み上げて対応する機能、(3)自動的に通話内容をテキストに変換する機能、(4)通話内容を録音してクラウド上に保存する機能――などを備える。管理者が通話内容を瞬時に確認できるため、コンプライアンス違反の防止などにも応用できるとしている。

 多様なポートフォリオを持つ同社だが、日本市場向けには上記2商品の他、コミュニケーションツールのログインシステムに二要素認証を組み込めるAPI「Authy」、顧客のデータを分析し、的確にセグメントを切って電子メールを自動送信できるマーケティングプラットフォーム「SendGrid」を含めた4商品を重点的に販売するという。

photo Twilioのポートフォリオ

「日本は最重要マーケット」

 Twilio Japanの社長に就いた今野芳弘氏は、「日本のクラウド市場は爆発的に拡大し、市場としての可能性を秘めている。米国本社は、日本を最重要マーケットだと認識している。今後は自社の直販能力を高める他、商品の日本語対応も進めたい。認知度向上に向け、勉強会やミートアップ、ハッカソンなどのコミュニティー活動も行いたい」と語った。

 今後は訴求する業界を絞らず、幅広く営業活動を行う予定。今野社長は「クラウドをうまく使って、新しいビジネスモデルを作りたい企業に導入できれば」と展望を説明した。

パートナー戦略も推進

 商品の普及に向け、パートナー企業と連携した販売も継続する。6年間協力してきたKWCは今後「リセール・SIゴールドパートナー」となり、販売や導入企業のサポートを行う。NTTコミュニケーションズ、NTTデータスマートソーシング、テラスカイ、サーバーワークスといったSIer各社がパートナーとなり、Twilioの商品を利用したシステムの構築・導入を担うことも決まっている。

 米Twilioのベル氏は、「今日がまさに、日本法人の『DAY 1』(最初の日)。これからは日本でのチームをもっと拡大するだけでなく、パートナーとのエコシステムをさらに強力にしたい」と意気込みを語った。

photo Twilio Japanの今後の体制

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