OKIは9月5日、量子コンピュータを活用し、プリンタ向けLEDモジュール製造工場にある半導体製造装置の配置を最適化することで、作業員の移動量を平均28%短縮する手法の算出に成功したと発表した。
同社のグループ会社・OKIデータの工場は、複数の製品を数十から数百台の製造装置を使って生産している。作業員は複数の装置間を移動しながら製造作業にあたっているが、人手不足の慢性化で、製造現場の効率化が課題になっていた。
そこでOKIとOKIデータは、カナダD-Wave Systemsが提供する量子コンピュータを使い、作業員の移動を最小化できる製造装置の配置を計算した。使った量子コンピュータは、「最適化問題」と呼ばれるOKIと同様の問題を計算することに特化したアニーリング型を採用。工場の実態に詳しい社員もプロジェクトに参加し、計算アルゴリズムは独自開発した。
OKIデータの工場は使っている製造装置の数が多く、考えられる組み合わせは10の100乗通りを越えた。既存のスーパーコンピュータでは最適な配置を算出することは現実的ではなかったが、D-Wave Systemsが2014年に始めた量子コンピュータの商用サービスで、最適な配置を計算する手法の実用化が実現したという。
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