この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「オラクル、来年にはリージョン数でAWSを抜くと宣言。現在の16から倍以上の36へ。Oracle OpenWorld 2019」(2019年9月18日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米オラクルがサンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld 2019」。基調講演において会長兼CTOのラリー・エリソン氏は、「これは私が示すスライドのなかでも、もっとも驚くべきものの1つだ」と前振りしつつ、来年(2020年)にグローバルで展開予定のOracle Cloudのリージョンを示しました。
Oracle Cloudは現時点でグローバルに16のリージョンを展開していますが、これが来年中に36へと倍以上になります。
「来年、われわれはAWSよりも多くのリージョンを展開することになる」(ラリー・エリソン氏)
エリソン氏が指摘するようにAWSは現時点で22のリージョンをグローバルに展開しており、さらに3つのリージョンを予定しています。オラクルが来年、グローバルに36リージョンを展開するのであれば、ほぼ確実にリージョン数ではAWSを抜くことになります。
他のクラウドベンダーを見てみても、マイクロソフトはグローバルに54のリージョンを、Google Cloudは20のリージョンを展開しており、オラクルの36リージョンという計画が実現されれば、グローバル展開の面ではこれら先行するクラウドベンダーと並ぶものになるでしょう。
日本国内では年内にOracle Cloudの大阪リージョンの開設が予定されています。また、来年中には英国で2つのガバメントクラウド、イスラエルにもガバメントクラウドなどが展開予定です。
さらにオラクルはマイクロソフトとの提携によって、Oracle CloudとMicrosoft Azureとの高速な相互接続とシングルサイン、サービスの相互利用などを進めています。
参考記事:[速報]Oracle CloudがSQL ServerやWindows Serverをサポート。Azureとの相互接続も欧州とアジアへ拡大。Oracle OpenWorld 2019
オラクルにとってこれからの数年は、徹底的にクラウドへの投資を進めることで、少なくとも規模の面で先行するAWSやAzureに追い付く。それによって重要なクラウドベンダーの選択肢としての立場を獲得することを目指していると言えそうです。
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