ITmedia NEWS > 製品動向 >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

「Gatebox」量産モデル、発売延期から1年の成果 「音声合成は3回やり直し」、武地CEOに聞く舞台裏(3/4 ページ)

» 2019年10月11日 10時45分 公開
[片渕陽平ITmedia]

「Gateboxをキャラクタープラットフォームに」

 Gatebox(当時の社名はウィンクル)が、最初にコンセプトモデルを発表したのは16年1月だった。デザインを洗練するなどし、16年末に300台の限定モデルを発売した。さらに18年夏に量産モデルを発表し、19年10月に発売──と、同社は約4年間、製品を世に送り出すことに注力してきた。

 武地CEOは、次の展開として「Gateboxをキャラクタープラットフォームにしていきたい」と意気込む。Gateboxという製品を開発するだけでなく、Gateboxを活用したサービスを生み出していく考えだ。

 同社は6月、法人向けにGatebox量産モデルを貸し出し、新サービスの創出を支援する「ビジネスパートナープログラム」を打ち出した。「Gateboxに自社のキャラを登場させたい」「受付に使いたい」など企業の要望に応える新事業だ。

 これまでに、ロボットを活用した接客・受付サービスを開発するユニキャストや、AR/VRコンテンツなどを企画・開発するハニカムラボとの協業を発表している。9月に開催された「東京ゲームショウ2019」では、ハニカムラボと共同で、実写ベースのキャラがGateboxに登場し、コミュニケーションできる──というデモ展示を実施。実在の人物をスキャンして作成したリアルなキャラを“召喚”した。

photo 実在の人物をスキャンして作成したリアルなキャラを“召喚”(画像右)

 「想定以上に幅広い領域の企業から問い合わせがありました。接客・受付の用途が多いですが、高齢者向けの展開などもあり得るかもしれません」(武地CEO)

 量産モデルの投入に続き、外部企業や開発者がGatebox上で動作するアプリケーションを開発し、ユーザーに販売・配信できる「Gatebox AppMarket」も公開する。武地CEOは「自社開発のキャラだけでは、サービスは広がりづらいので」と話す。

 「Gateboxの限定モデルを世に出したときも、ファンの一人ひとりから『このキャラと暮らしたい』と熱い要望が寄せられました。それぞれ好きなキャラと一緒に暮らしたいという夢を、1つずつかなえていきたいと考えています」

photo シーエスレポーターズの社内プロジェクト「Gugenka」(グゲンカ)とも協業。同社は物理的なフィギュアの代替として、AR・VR空間に3Dキャラを登場させる「HoloModels」を開発している。今冬以降、人気アニメキャラをGatebox内に召喚させる予定

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.