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» 2019年10月14日 18時31分 公開

CEATEC 2019:“IoTファーストクラスシート”登場 乗客の眠りを検知しCAに報告 機内食で起こされず快適な旅

パラマウントベッドとジャムコが、IoTの技術を活用して、乗客の睡眠状況を計測できる航空機用シートを共同開発していると明らかにした。機内食を提供する場合などに、CAが乗客を誤って起こしてしまうことを防ぐ。パラマウントベッドが6月に発売した“IoTベッド”の技術を応用している。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 パラマウントベッドと航空機向け内装品メーカーのジャムコは10月14日、IoTの技術を活用して、乗客の睡眠状況を計測できる航空機用シートを共同開発していると明らかにした。2021〜22年をめどに、航空機のファーストクラスなどでの実用化を目指す。シートのプロトタイプは「CEATEC 2019」(10月15〜18日)で展示する。

photo パラマウントベッドとジャムコが共同開発中の“IoTファーストクラスシート”

 背面に搭載したセンサーで、心拍、脈拍、呼吸、体の動きなどをリアルタイムで検知し、キャビンアテンダントの端末に通知する仕組み。従来の接客では、乗客が眠っているか否かを目視や声掛けでしか判断できず、誤って起こしてしまう場合があった。新しいシートを使うことで、乗客が眠っている間は妨げないよう配慮し、目覚めたタイミングで素早く機内食を提供するなど、サービスの向上を見込む。

photo “IoTファーストクラスシート”の内部

 一連のデータは、乗客が起きている場合でも取得可能。計測は乗客が着席してから1〜3分程度で完了し、シートの前方に設置したディスプレイに結果を表示する。乗客の時差ボケを防ぐため、目的地の時刻から逆算し、寝ていた方がいい時間帯をレコメンドする機能も持つ。到着が近づくと、リクライニングを緩やかに戻して乗客を目覚めに導く。姿勢が変わって自然に起きた場合は、機内の点灯によって起きた場合よりも不快感が少ないという。

photo 乗客の心拍などを測定している様子

“IoTベッド”の技術を応用

 シートの開発に当たっては、パラマウントベッドが6月に発売した、使用者の睡眠を検知する“IoTベッド”こと「Active Sleep BED」の技術を応用している。

 このベッドはセンサーを搭載し、(1)使用者がベッドに入ると背中部分の角度を上げて休息しやすくする、(2)眠ると角度をフラットにして寝返りを打ちやすくする、(3)朝になると緩やかに角度を上げて目覚めやすくする――といったことができる。

photo パラマウントベッドが6月に発売した“IoTベッド”

 主に家庭や医療・介護事業者向けに提供しているが、技術の他業種への展開を目指してパートナー企業を募ったところ、高性能な航空機シートの開発を目指すジャムコと合意したという。パラマウントベッドの担当者は「長距離の移動を快適にしたい」と意気込んでいる。

 航空法や各国の規制で機内での電波利用が制限されているため、航空機の内装品はIoT化が進んでこなかったというが、ジャムコの担当者は「今回は(商品化に向けて)規制に対応していきたい。無線だけでなく、シートとディスプレイなどを有線でも接続できるようにしたい」と展望を語った。

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