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» 2019年10月15日 20時11分 公開

通信制「N中等部」にネットコース開設 飛行機や夜行バスで通う生徒がきっかけ

角川ドワンゴ学園が、12〜15歳の生徒向けに通信制スクール「N中等部ネットコース」を2020年4月に開設すると発表した。

[谷井将人,ITmedia]

 角川が設立した学校法人・角川ドワンゴ学園は10月15日、中学生向けの通信制スクール「N中等部ネットコース」を2020年4月に開設すると発表した。ネットを通じて全国どこでも授業を受けられるのが特徴で、「N高等学校」や「N中等部通学コース」の運営で培ったノウハウを活用する。

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 N中等部は法律上で義務教育に認定される中学校ではなく、フリースクールの一種だ。N中等部に通うだけでは中学校の卒業資格が得られず、生徒は地域の中学校に在籍したままN中等部に通うことになる。学校側が互いに生徒の学習状況などを共有することで、N中等部への登校日数が在籍中学校の登校日数に認定される場合もあるという。

 N中等部ネットコースの入学金は2万2千円(以下税込)。1年を12期に区切った1期の学費は4万700円。

授業ではテレビ会議、スマートフォン用アプリを活用

 ネットコースの授業では、主にコミュニケーションツールの「Slack」や、テレビ会議システムの「ZOOM」などを授業に活用する。教員と生徒のコミュニケーションや、5〜7人の生徒が1つの課題に共働して取り組む「探求学習」の時間には、テレビ会議を使った対面でのグループワークを行う。

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 他の生徒と同じ時間に学習する「一斉学習」の時間は週2回。それ以外は角川ドワンゴ学園の学習アプリ「N予備校」を使って、小学校の内容に不安がある場合は過去にさかのぼって復習したり、好きな科目は高校で学ぶ内容を先取りしたりと、生徒が自分のペースで学べる環境を提供する。学習ペースは教員と生徒が1対1で行う面談で決める。

 社会で求められるITスキルやプログラミング的思考を身に付けさせるため、プログラミング教育も提供する。一斉学習の時間やN予備校を使い、生徒のレベルに合わせて基本的なPCの使い方から、実践的なプログラミング技術まで対応する。

 2021年度には、中学校でもプログラミング教育が必修化する。N中等部でもITスキルやプログラミングは職業や時代を問わず必要な知識だとして重要視しているという。

遠方の生徒のために場所に制限されないコースを開設

 角川ドワンゴ学園は19年4月から、秋葉原や新宿にある校舎に週1〜5日間通学する中学生向けの通信制スクール「N中等部通学コース」を提供している。現時点で3キャンパスに378人の生徒が在籍しており、20年度には横浜や名古屋などに4キャンパスを新設する予定だ。同学園の為野圭祐さん(N中等部運営部長)によると、ネット上の高等学校としてN高等学校を運営する同学園が、N中等部ではネットコースより先に通学コースを開設した理由として、「仲間と一緒に学ぶ経験が必要」と考えたからだという。

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 「自分のやりたいことが定まっていなかったり時間の使い方に自信がない子は、通学して仲間と一緒に学ぶことも必要」(為野さん)

 リアルの場でのコミュニケーションが苦手な生徒でも、インターネットの世界やチャットなら上手にコミュニケーションできる場合も多く、「インターネットの中だけでは友達ができないのではないか」と心配していた保護者の中にも、元気に友達と話している子供の姿を見て安心する人がいると為野さんは話す。

 しかし、中には九州や東北から飛行機や夜行バスで通学する生徒もいるため、場所にとらわれないコースとしてネットコースの開設に踏み切った。

 為野さんは「N中等部はまだ未完成」とし、「多様な生徒がいる中でどういう風に居場所を作って活躍できるかというのはまだまだ運営側として改善の余地があると思っている」と説明した。

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