角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)は2019年4月に開校から3周年を迎える。これを記念し、同学園は3月27日に記者会見を開催。2月にドワンゴの新社長に就いたばかりの夏野剛氏らが登壇し、これまでの実績や手応えを語った。
N高は、時間・場所を問わずWeb上で授業を受けられ、3年間で高卒資格を取得できる点が特徴。レポートなどもWebから提出できるので、通学や郵送の手間も省ける。ジャーナリストの田原総一朗さんや声優の松本梨香さんらを講師に招いた特別授業やプログラミング教育などの課外授業も行っている。
入学式は生徒がヘッドマウントディスプレイを装着し、校長の式辞をVR(仮想現実)で視聴する。「ドラゴンクエストX」の世界で“ネット遠足”する行事もある。サッカーゲーム「ウイニングイレブン」シリーズなどの上達を目指す「eスポーツ部」、堀江貴文氏が審査員を務めて話題を呼んだ「起業部」といった部活動も充実している。
夏野社長によると、こうしたオリジナリティーあふれる施策が奏功し、19年1月現在の生徒数は開校時の約4倍に相当する7875人に増加。反響を受けて17年に新設した通学コースも、19年3月時点で当初の4倍近い792人が所属している。
生徒の年齢層は15〜19歳がほとんどだが、20代(2.9%)、30代(0.9%)、40代(0.3%)、50代以上(0.2%)と“大人”も通っており、最高齢は88歳という。
夏野社長は「今年4月からの生徒数は9000人で、国内最大級の高校になる。来年には1万人を目指す」と強調する。
生徒の中には、フィギュアスケート選手の紀平梨花さんや川畑和愛さん、囲碁で新人王(第43期)を獲得した広瀬優一さん、同じくドコモ杯(第21〜22期)で「女流棋聖」を獲得した上野愛咲美さんら著名人も存在。「スターがたくさん出てきている。自分のペースでやりたいことを徹底的に追求しながら、きちんと勉強できる体制が作れている」と夏野社長は自信を見せる。
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