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「東京モーターショー2019」開幕直前 クルマの未来を占う、国内メーカーの出展内容まとめ(1/5 ページ)

» 2019年10月19日 08時00分 公開
[ITmedia]

 「第46回東京モーターショー2019」が10月25日に開幕する(23日、24日はプレスデー)。昨今「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリングサービス、電気自動車)や、次世代移動サービス「MaaS」(Mobility as a Service)という概念に注目が集まる中、自動車メーカー各社がそれらを意識したクルマを披露する。クルマの未来を占う、国内大手メーカーの出展内容をまとめた。

トヨタ、自動運転EVのコンセプト「LQ」披露

 トヨタ自動車は、独自のAIエージェント「YUI」や自動運転機能を搭載する電気自動車(EV)のコンセプトカー「LQ」を出展する。YUIは、ドライバーの表情や動作から感情、眠気などを推定。会話に加え、音楽をかけたり室温・フレグランスを調整したりし、「安全・安心・快適な移動に貢献する」(同社)という。

photo トヨタが出展する、電気自動車(EV)のコンセプトカー「LQ」

 乗客の好みやシーンに応じ、音楽を選曲・再生する他、興味のある話題、施設情報も提供し、移動自体を楽しめるようサポートする。こうしたサービスの開発には、JTB、NTTドコモ、音楽ストリーミングのAWAも協力。ゆくゆくは、乗客のスマートフォンなどクルマ以外の端末や他サービスとも連携を進め、事業領域を拡大するという構想を立てている。

 パナソニックとも協業し、乗り降りする場所と駐車スペース間で無人運転ができるシステムも搭載する想定。ドライバーが駐車スペースを探す必要がなく、高齢者や身体が不自由な人、妊娠中の人などの負担を軽減するという。

 また、自動運転技術を活用した多目的EV「e-Palette」(東京2020仕様)も披露。カメラやLiDAR(LIght Detection And Ranging)などを搭載し、高精度3Dマップと組み合わせ、低速自動運転を実現。周囲360度の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な速度で運行するという。

photo 多目的EV「e-Palette」(東京2020仕様)

 e-Palette Conceptは、移動型の店舗になったり、人やモノを運んだりといった多種多様な用途を想定。「自動車会社から人々のさまざまな移動を支えるモビリティ・カンパニーへと変革する」という、トヨタのMaaS事業への転換を象徴する1台といえる。20年開催の東京オリンピック・パラリンピックで実用化する予定で、選手村内を十数台が巡回し、選手や大会関係者を運ぶ。

日産も無人運転で自動駐車 「ニッサン IMk」出展

 日産自動車は小型EVのコンセプトカー「ニッサン IMk」を披露する。「プロパイロット 2.0」から進化した、次世代の運転支援技術を搭載する考えで、「高速道路上での運転支援から主要幹線道路に利用範囲を拡大し、幅広いシーンで運転をサポートする」という。

 トヨタのLQ同様、無人運転でスペースを探して自動で駐車し、ドライバーが必要な時にスマホで呼ぶと迎えに来てくれる──という機能も備えるとしている。

photo 日産自動車は小型EVのコンセプトカー「ニッサン IMk」を披露

 日産はこの他、9月に発売した「スカイライン」も展示する。「プロパイロット2.0」を搭載。高速道路の同一車線内では、ドライバーがハンドルから手を離した状態で運転できるのが特徴だ。

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