米Facebookが10月25日(現地時間)に発表したニュース専用タブ「Facebook News」の“信頼できる情報源”の1つとして、オルタナ右翼メディアと目されている米Breitbartが参加していることが、発表後のイベントで明らかになった。
Facebook Newsは、Facebookのガイドラインに沿った登録メディアのニュースを、外部のジャーナリストチームがキュレーションしてジャンル別に表示する無料のニュースサービス。まず米国の一部ユーザーを対象に試験的に公開される。
マーク・ザッカーバーグCEOはNews York Timesへの寄稿で、 ABC News、The New York Times、The Wall Street Journal、The Washington Post、BuzzFeed、The Dallas Morning Newsなどの大手メディアと複数年にわたるパートナーシップを結んでいると説明した。
Facebookが同日メディア向けに開催したザッカーバーグ氏と米News Corp.のロバート・トンプソンCEOとの会談イベントの最後の質疑応答コーナーで、米New York Timesの記者が「無料で参加するメディアの中に、数年前に極右プラットフォームと呼ばれたBreitbartがあるのはなぜか」と質問した。
Breitbartは、トランプ米大統領の選挙対策本部のCEOを務めたスティーブン・バノン氏が会長を務めた(昨年退任)保守系ニュースサイト。移民に関する不正確な報道や「黒人の犯罪」特集などで批判された。
ザッカーバーグ氏は「具体的な個別のメディアについて話すことはないが、ガイドラインは透明であり、Facebook Newsには観点のダイバーシティが必要」で「異なる観点を持つコンテンツを含める必要があると思う」と語った。
同氏はNew York Timesへの寄稿で、「われわれはFacebook Newsに掲載するメディアに対し、厳格なガイドラインを設定している。もしメディアがフェイクニュースを投稿したら、そのメディアは二度とFacebook News上に表示されないだろう」と説明している。Breitbartも例外ではないということだ。
Facebookがなぜあえて過去に批判されたBreitbartを選んだのかは不明だ。同社はFacebook Newsに参加するメディアのリストを公開していないので、「観点のダイバーシティ」のバランスがどの程度とれているのかも不明だ。
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