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一見ミニマム、実は3つの顔を持つシステムカメラ 「SIGMA fp」の変幻自在っぷり荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/4 ページ)

» 2019年11月07日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 レンズは45mm F2.8(45mm F2.8 DG DN Contemporary)。fpより一足先に発売されたスナップ用の小型レンズでメタリックな鏡筒がなかなかカッコいい。

グリップだけ付けてみた。これにさらにストラップで安心

 作例の前にスペックを。

 イメージセンサーは35mm判フルサイズ。ボディ内手ブレ補正はなし。

 メカシャッターはなくて電子シャッターのみ。このクラスでメカシャッターなしはめちゃ大胆。おかげでシャッター時のショックもないし完全無音だし、レスポンスもいいけど、高速の被写体を撮ったときのローリングシャッター歪みは発生するし、フラッシュ撮影時の同調速度も遅い。メリットとデメリットがある。

 まずはいつものガスタンクを。基本、ハイライト部が飛ばないようなセッティングなのかちょっとアンダー目。そこは露出補正なりなんなりをうまく使いたい。

いつものガスタンクを。ハイライト部(ガスタンクに反射してる太陽がひっぱったか)を抑え気味かちょっとアンダー気味だけど、色や階調はすごくいい。うまく付き合いたい(45mm 1/1600秒 F5.6 ISO100)

 モニターはタッチパネルに対応しているので、タッチAFを使ってsと指定できる他、顔検出・瞳検出にも対応している。

瞳検出……瞳の位置がちょっとずれてるけど、これは半押しで瞳にAFを合わせたあとカメラの角度が変わっちゃったからで気にしなくて良いです

 fpで注目すべきは「トーン」と「カラー」に独立したボタンを用意していること。

 何をメニューの中に入れ、何を独立したボタンにするかは「カメラからのメッセージ」なのだが、シグマのカメラはいつもメッセージにあふれてるから楽しい。カメラ上で自分のイメージ通りに絵作りをしながら撮ってくれというメッセージなのだ。

 TONEは写真の階調を調節する機能。COLORはカラーモード。「スタンダード」や「ビビッド」の他に、青空を強調する「Foveon.Blue」や映画用の「CINE」があるけれども、今回の注目は「ティール&オレンジ」。

 これで人物を撮ると、特に曇天下や日陰のような肌色がきれいにでづらい環境下でいい色に撮れる。

COLORボタンを押し、「T&O」(ティール&オレンジ)にセット
薄曇り下の日陰という肌が青っぽくなりそうなシチュエーションになるも肌色が好ましい感じに出てる。ポートレート用に重宝するモードだ(45mm 1/160秒 F2.8 ISO100)

 「ブラケット撮影」を使うのもいい。カラーモードブラケットを使えば1回のシャッターで最高5つのカラーモードで撮ってくれる。

ブラケット撮影の「カラーモード」を使うと便利
カラーモードを変えて4枚(スタンダード、ビビッド、シネマ、ティール&オレンジ)撮って並べてみた。違いが分かると思う

 せっかくなので、ティール&オレンジでみかん。

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