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» 2019年11月12日 07時00分 公開

「意思決定」の視点がないデータ分析が失敗する理由 元大阪ガスの河本薫氏が解説 (1/3)

ビジネスの現場で活躍できるデータサイエンティストに求められる能力とは。そして実際に問題を見つけ、それを分析し、業務に役立てるためのポイントは何なのか。滋賀大学の河本薫教授が説明した。

[村上万純,ITmedia]
滋賀大学 データサイエンス学部の河本薫教授

 「あらゆるデータ分析は、意思決定に役立つものでないといけない。筋の悪い分析に着手しないためには、具体的にどういう意思決定に役立つかをイメージする必要がある。これを考えるのがデータサイエンティストの仕事だ」――滋賀大学 データサイエンス学部の河本薫教授は、ビジネスの現場におけるデータ分析の在り方について、こう語った。

 河本教授は、前職の大阪ガス時代にデータ分析専門の組織を立ち上げ、「エネルギーの需要予測」「電力の価格予測」など、データを駆使して業務改革に取り組んだことで知られている。

 プロジェクトを成功に導くには、どういった点に気を付ければいいのだろうか。河本教授が11月7日に開催されたデータ活用に関するイベント「HULFT DAYS 2019」に登壇し、データサイエンティストの視点で解説した。

「意思決定」の内容を具体化できないと失敗する

 データ分析で解くべき課題を見つけるには、データサイエンティストと現場担当者とのコミュニケーションが欠かせない。しかし、現場担当者が勘と経験を基に取り組んでいる作業では、ノウハウが暗黙知になっているため、現場を知らないデータサイエンティストが的確に課題を拾い上げることは難しいという。

データ分析の壁

 「例えば、機器の予防保全。現場担当者は『壊れそうな部品が何となく分かる』というが、話を聞くと理由や判断基準がよく分からないケースがあった」と河本教授。この「何となく」を誰もが分かる形に見える化することが、データサイエンティストにとって必要な能力だという。

 暗黙知を見える化する上でのポイントは、意思決定。河本教授は「どういう“こと”に役立つか、では不十分。どういう“意思決定”に役立つかまで考えないと失敗してしまう」と強調する。

意思決定の種類によってデータ分析のプロセスが類型化できる
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