ソフトウェアメーカーのシグナルトークは11月13日、AIが食生活を分析し、仕事のパフォーマンス向上に効果的な食事を提案するサービス「Work UP」を発表した。AIには、約3500人の食生活と年収に関するデータをディープラーニングで学習させた。食べると年収アップにつながるメニューを紹介するとしている。
同日から20日までオープンβテストを実施する。テスト参加者のデータを匿名化してAIに追加で学習させ、分析の精度を高めた上で、2020年から月額9800円(税別)の有料サービスを始める予定。
予防医療研究協会に所属する医師がサービスを監修。提案するメニューは管理栄養士が考案に携わった。食生活と年収の関連性を算出するアルゴリズムの開発には、大阪市立大学医学部が協力した。ヘルステックベンチャーのドットテックも開発に携わった。
Work UPの利用には、ハンドルネームと生年月日、身長、体重、現在の年収、食品アレルギーなどの入力が必要。
登録を終えると、「人よりも集中力が続かない方ですか?」「人よりも扁桃腺が腫れやすいですか?」「週に1回以上、生野菜サラダを食べていますか?」「直近1カ月では、業務効率は上がっていますか?」――など、性格、健康状態、食生活、仕事の状況に関する質問を約130個表示する。
全てに回答すると、AIが内容を分析し、生涯収入、健康労働年数、余命などを算出する。上記の他にも、「朝食にファストフードを食べないようにしていますか?」など、食生活に関する細かい質問を追加で約800問用意しており、答えるごとに分析の正確性がアップするという。
生涯年収などの算出を終えると、結果に応じて、仕事のパフォーマンス向上に最適なメニューを提案する。
例えば、仕事中にイライラしやすい人には、気分障害の改善効果がある葉酸・ビタミンB1・B6を含むモロヘイヤジュースを提案。物忘れが激しい人には、脳機能を向上させるDHAやEPAを多く含むカツオをだしに使ったみそ汁を薦める。
メニューの提案ページには、管理栄養士が監修したコラムの他、材料や作り方、必要な調理器器具などをまとめたレシピも掲載し、日々の食生活に採り入れやすいようにする。
ユーザーは、紹介された料理を食べた旨をAIに報告できる。報告を受けたAIは、食生活の改善による生涯収入への影響をメニューごとに算出し、分析結果を更新する。
一連のサービスはブラウザベースだが、PC向けのアプリも別途用意する。アプリを使うと、業務時間中にキーボードを打った回数や、編集したファイルの数、PCの前にいる時間などを計測。パフォーマンスの変化を測定・分析し、低下が見込まれる場合はAIが食生活の改善をアドバイスする。
シグナルトークの担当者は「想定される年収や、食生活の改善による年収の上がり幅はあくまで目安だが、仕事のパフォーマンス改善に役立ててほしい」と説明。「正式リリース後は、個人・法人の両方に提供したい。ストレスの多い管理職や、健康経営を心掛けている企業に導入できれば」と話している。
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