囲碁AI「AlphaGo」と対戦して1勝を挙げたことで知られる世界トップ棋士・李世ドル氏がプロ棋士を引退したと、韓国の通信社・聯合ニュースなどが報じた。囲碁AIの台頭が引退の一因で、李氏は「囲碁AIが登場したことで、必死に努力してナンバー1になっても、自分はトップではないことが分かった」などと語ったという。
李氏は2016年に、米Google傘下DeepMindが開発したAlphaGoと5番勝負を実施。日々進化を続ける囲碁AIとトップ棋士の対決として注目を集めた。開幕前の下馬評では「プロ棋士優勢」という見方も多かったが、李氏は4局目を勝ち取ったのみで、AlphaGoが4勝1敗で勝ち越した。
李氏はこのときの勝因について「AlphaGoのプログラムのバグによるもの」と振り返り、「棋力では囲碁AIに勝てない」と悟ったことが引退に関係していると明かした。
李氏は引退後の12月に、韓国NHNが開発した囲碁AI「HanDol」と対戦する予定という。
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