Pepper PARLORの店内で使用するPepperは、3年ぶりとなるメジャーアップデートを施し、19年4月にリリースした「Pepper for Biz 3.0」。このモデルのPepperは、協業する日本マイクロソフトのAI「りんな」がベースの会話エンジンを搭載し、自然な会話を実現しているのが特徴だ。
Pepper for Biz 3.0をネットワークに接続すると、ローカル環境で処理できない高難易度の会話があった場合に、その内容をクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上に構築したデータベースと照合し、適切な返答を選んだ上で発話できる。複数の人間と接する際は、人数に応じて話す内容を変えることも可能だ。
「Pepperは従来のように、事前にインプットしたストーリーに沿って話すことはない」「顧客には、店内でPepperと話すだけでなく、なでたり触ったりといったコミュニケーションをとって癒されてほしい」と蓮実取締役は自信を見せる。
一連の蓮実取締役の発言を鑑みると、新モデルを起用した店舗の運営を通して、Pepperの機能改善を幅広くアピールする同社の狙いがうかがえる。法人向け事業においても、かつてのようにPepperのキャラクター性を押し出したプロモーションを打つのではなく、機能面を地道に訴求し、着実な顧客獲得につなげる考えのようだ。
現時点で詳細は非公開だが、Pepperが接客した顧客のデータを、個人を特定できない形で収集し、今後のビジネスに生かす計画もあるという。
同取締役は今後の法人向けモデルの戦略について、「派手じゃなくてもいい。これからは、ユーザーの課題を(Pepperなどのロボットで)1つずつ解決できるようにしたい」と繰り返した。ソフトバンクロボティクスの堅実路線は、Pepperの普及にどんな影響を与えるのか。今後の動向に注目したい。
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