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» 2020年01月27日 09時55分 公開

海外でサイフをなくすとこんなことになる(2/3 ページ)

[西田宗千佳,ITmedia]

電話でタクシー会社に尋ねるという難題

 これはまいった。

 ただ、手元にはタクシーのレシートがある。これは幸いだ。

 急いでそこに書かれたタクシー会社へと電話をかける。

 実は、筆者は英語で電話をかけるのがとても苦手だ。英語はそれなりにできると思っているが、音が悪くて聞き取りづらいと、とにかくコミュニケーション精度が劇的に落ちる。うるさい場所と電話取材は、とにかく苦手で避けている。

 だが、今回は躊躇(ちゅうちょ)してもしょうがない。レシートにある番号にかけてみた。

 案の定、電話の音質が非常に悪く、相手のいうことは聞き取れない。

 辛うじてコミュニケーションしていくのだが、そこで大変なことが分かる。

 レシートはあるのだが、運転手の切り方がぞんざいで、もっとも大切な「ドライバー名とドライバーのライセンスID」の部分がないのだ。

 「じゃあ、乗った場所と時間、決済のクレジットカードの下四桁と料金から、なんとかドライバーを探してあげるわね」

 電話の向こうで対応しているオペレーターの女性がそう言う。

 それらはもちろん覚えているので、ちゃんと伝える。しかし、電話の音質が悪いこと、英語でのコミュニケーションであることから、ちゃんと伝わっているかどうかどうにも不安だ。

 「乗車は確認できました。ただ、ドライバーとは、彼の乗車が終わらないと連絡がつかないので、あとから連絡します。1、2時間で終わることもあれば、明日になることもあります。電話番号を教えてもらっていいですか?」

 そういわれたので、携帯の電話番号を教える。ここでも、電話の音質の悪さから、ちゃんと相手に伝わっているか不安だった。

 そうこうしているうちに、会食の相手がやってきた。こちらがバタバタしているので、「何事か?」という顔をしている。

 そりゃあそうだよね。

弾は当たったが、生きている

 サイフをなくすというのはかなり致命的なことに思える。特に、お金がかかりがちな海外ではそうだ。

 だがこの時、幸か不幸か、西田は「ギリギリ致命傷じゃない」くらいのレベルにとどまっていた。

 まず、パスポートは無事。

 次に、直前にクレジットカードを取り出していて、それはまだサイフに入れていなかったので、これも持っていた(ここで、サイフにクレカを戻してポケットに入れる、というルーティンを外してしまったのが敗因なのだが)。

 3つ目に、直前の講演のギャラが「現金」だったので、手元には100ドル+ポケットにあった数ドルが残されていた。当座の現金はある。

 4つ目に、スマホにはちゃんとSuicaをはじめとしたキャッシュレス決済が登録されており、その決済クレカは、サイフにはいっていない、手元にあるほうのクレジットカードだったこと。キャッシュレス生活にすれば当面なんとかなる。

 さらに5つ目に、日本円が2万円ほど、ドルから入れ替える形でカバンの中にある。最悪現金が日本で必要になっても、こちらもなんとかなりそうだ。

 サイフにはいっていた現金300ドル弱、それに各種会員カード、クレジットカード1枚にキャッシュカードにデビットカードは失われたが、「帰国までなんとかなる」「帰国しても基本キャッシュレス生活で数日なんとかなる」「大きな額の出費があってもクレカがある」という、まあなんというか、「弾はあたったが致命傷じゃなかった」的な状況だ。

 とはいえ、アレな状況であることに変わりはない。

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