KDDIは1月28日、スマートフォン決済アプリ「au WALLETアプリ」(iOS/Android)をリニューアルし、2月4日に名称を「au PAYアプリ」に変更すると発表した。刷新後は、公共料金の支払いなどの新機能を3月以降に追加し、用途の幅を広げる。2月10日〜3月29日には、毎週10億円相当のポイントを還元する大規模キャンペーンも実施。ソフトバンク系の「PayPay」などが先行する中、競争力の向上を目指す。
刷新に伴ってユーザーインタフェースも改善し、au PAYアプリのトップ画面に決済用のバーコードを表示。操作の手間を省き、素早い支払いを可能にする。3月には、請求書のバーコードを読み込ませると公共料金を支払える機能の他、「auでんき」ユーザーの電気代が一定の水準を下回った場合に、差額で投資信託を購入できる機能も追加する。
2020年上半期中には、「au PAY カード」(現「au WALLET クレジットカード」、アプリに合わせて名称変更予定)から電子マネーの残高にオートチャージできる機能も追加する予定だ。これらに加え、投資や資産形成などの新機能も計画中。飲食店の事前注文やタクシーの配車予約など、金融以外の機能追加も検討している。
今後の方針について、KDDI傘下の金融持ち株会社、auフィナンシャルホールディングスの勝木朋彦社長は「金融事業のノウハウの全てを注ぎ込み、スーパーアプリ化を目指す」と説明。KDDIの東海林崇専務も「ユーザーが店舗に入った時に、好みのメニューをプッシュ通知する機能も検討している」と話した。
刷新に合わせ、「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」と題した大規模な還元キャンペーンも開催。全ての加盟店で「au PAY」を利用した顧客に、決済額の20%相当の「au WALLET ポイント」を付与する。付与の上限は計7万ポイントで、内訳は2月10日〜3月1日が3万ポイント、3月2日〜22日が3万ポイント、3月23〜29日が1万ポイント。auユーザーだけでなく、他キャリアやMVNOの契約者も参加できる。
KDDIは19年12月に、ローソンと、ポイントサービス「Ponta」を手掛けるロイヤリティ マーケティングとの資本・業務提携を締結。5月をめどにau WALLETポイントを「Pontaポイント」に統合する予定だ。
事前に大規模な還元キャンペーンを打ち、au WALLETポイントの流通・消費を拡大した上で、8900万の会員数を誇るPontaに統合することで、ユーザーの活性化と顧客基盤の強化を狙っているとみられる。
KDDI ライフデザイン事業本部 新規ビジネス推進本部の中井武志副本部長は「Pontaとの連携に備え、2月〜3月にかけて(au PAYアプリを)爆発的に立ち上げる。顧客の消費を継続的に促す施策も検討している」と説明した。ローソンと連携したキャンペーンも実施予定で、詳細は追って発表するという。
au PAYとPontaを合わせた会員数は1億人超に上り、競合するPayPayの累計ユーザー数(2300万人)を上回る。決済アプリの機能を拡充してスーパーアプリ化する計画や、大規模な還元キャンペーンではPayPayに後れを取っているKDDIだが、アプリの刷新とPontaとの共闘によって、au PAYを他キャリアのユーザーなどにも広められるか。
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