PS5のメインプロセッサはCPUとGPUを1チップに統合したAPUとなり、製造プロセスは7nmになるはずだ。現状、AMDの7nm製造プロセスで最も巨大なGPU製品は19年登場の「Radeon VII」で、これのダイサイズが331平方mmだ。かなり巨大なチップだが、先代の14nm製造プロセスベースの「Radeon RX VEGA 64」(VEGA 10)は486平方mmでもっと巨大だったりする。ちなみに、Radeon VIIの理論性能値は13.8TFLOPS、Radeon RX VEGA 64は12.6TFLOPSである。
特殊な冷却機構を組み込んだものを除けばAMD製GPUで最も高性能なのは依然として前世代アーキテクチャ「VEGA」ベースの「Radeon VII」である。このGPUは、前世代アーキテクチャ「VEGA」を最新7nm製造プロセス向けにリファインしたもので、もともとはGPGPU用途のRadeon INSTINCTシリーズでの採用を想定して開発されたPS5のAPUは、大きいチップになるとしても消費比電力や発熱量を考えると大きくても300〜400平方mm台となるはず。ちなみに、初期型のPS4のAPUのダイサイズは348平方mm、初期型Xbox OneのAPUは363平方mmだった。ZEN2世代の8コア(CCX×2)構成のCPUダイが40平方mm程度といわれているので、周辺I/O機能とGPUコアまでを統合して、チップサイズを300平方mm台後半や400平方mm前後に収めようとするとGPUに割り当てられる面積は最大で300平方mm強といったところ。ちょうどRadeon VIIダイサイズに近い値が見えてくる。
採用する製造プロセス、チップの大きさ(≒トランジスタ数)でおおよその絶対性能値は定まってくるので、以上を踏まえると、PS5のGPUは「よくてもRadeon VIIの13.8TFLOPSくらい。場合によってはそれ以下」というのが、おぼろげに見えてくる。
さて、PS5の「8Kに対応する」は、PS5が8K(7680×4320ピクセル)解像度の映像の60fps(及び120fps)伝送が可能な「HDMI2.1」に対応する……ということをほのめかしていることになる。また、HDMI2.1は4K/120fps伝送にも対応しており、これは「PS5は4K/120fpsゲーミングに対応する」というSIE社長兼CEO、ジム・ライアン氏の発言とも合致する。
HDMI2.1でサポートされる解像度/リフレッシュレート(≒フレームレート)一覧表。「Ultra#」で表される伝送モードは、デジタル伝送ながらも画質が劣化する不可逆圧縮伝送モード(DSC)を活用しなければ実現できない。HDMI2.1時代は、ついに「デジタル映像をデジタル伝送しても劣化する時代」へと突入するのだ!今回はここまで。後編となる次回は、SSD(ストレージ)、サウンド機能、コントローラ、光ディスクまわりの仕様を現在分かっている情報から推察していこうと思う。
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