日本オラクルは2月3日、「Oracle Cloud」の大阪リージョンを開設したと発表した。2019年5月に開設した東京リージョンに続き、国内では2カ所目の拠点となる。同社は今後、関西圏のユーザーを対象に、より可用性が高く低遅延のサービスを提供していく。両リージョンを併用した冗長構成を可能にすることで、ユーザーの耐障害性も強化する。
同社のケネス・ヨハンセンCEO(最高経営責任者)は「新しいデータセンターを開設したことで、ユーザー企業は、ミッションクリティカルなワークロードを2つのリージョンで展開できるようになった。保護されたデータを日本国内に保管できるのもメリットだ」と強調した。
既存ユーザーのサービス向上だけでなく、オンプレミス型のシステムを多く使っている金融事業者や、電力・ガスなどインフラ事業者の利用も促す。これらの業界では、高度なセキュリティ要件と耐障害性が求められるため、クラウド利用に抵抗がある企業が多く、単一リージョンではアプローチが難しかったという。
同社の竹爪慎治執行役員(クラウド戦略統括)は「電力会社やガス会社など、オンプレミスのシステムを利用している企業は多くある。これらの企業はセキュリティへのこだわりがかなり強いが、(大阪リージョン開設によって)クラウド化を支援する」と説明。
需要喚起に向けた取り組みとして、「レガシーシステムをクラウド化する際は、米国本社が40年かけて培ってきたセキュリティの技術を実装したい」(竹爪執行役員)と語った。
東京リージョンの利用企業は、2020年2月現在で約1000社。大阪リージョンの開設によって、金融・インフラ以外の顧客層もさらに拡大すべく、関西エリアのパートナー企業との連携をさらに強化するとしている。
足元の進捗(しんちょく)は好調で、大阪リージョン開設を機に、家電量販店チェーンのエディオン、医療機関向けITベンダーのソフトマックス、スポーツ用品/健康グッズメーカーのファイテンなどがOracle Cloudの導入を決めたという。
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