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手に着陸するドローンを振動で体感 スコルコボ研究所と電通大「SwarmCloak」発表Innovative Tech

» 2020年02月07日 06時10分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 露スコルコボ研究所と電気通信大学による研究チームが開発し、2019年11月に発表した「SwarmCloak」は、人間の腕にドローンを着陸させる触覚システムだ。

photo (a)SwarmCloakを用い、4機のドローンを着陸させる様子、(b)手のひら用のランディングパッド、(c)バイブレーターユニット

 手にランディングパッドを装着し、そこへ着陸させる。ユーザーは、ドローンを着陸させながらその振動を体感できる。

 ランディングパッドは手のひら用と前腕用の2種類。両方とも同じ構造で、ランディングパッドの下にフォトトランジスタを上向きに装着し、ドローンの下部にあるLEDアレイから放射される光を検出する。同時に、搭載するリニア共振アクチュエータが振動で触覚を生成する。

 実験では、重量27グラムの小さなドローンを4台、ドローン追跡用に周囲に赤外線カメラを備えたViconモーションキャプチャシステムをセットアップし、SwarmCloakを手に装着。腕に3機のドローンを着陸させた。

 実験結果から、振動による触覚があることで、視覚のみよりランディングパッドの位置決めの精度向上が確認できた。目隠しの状態でもドローンを着陸させることができ、応用するとVRを体験しながらでも着陸が可能だという。

photo SwarmCloakとVRを組み合わせた様子

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