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» 2020年02月12日 22時50分 公開

「潮目が変わった」とSBG孫社長 129億円の営業赤字も「投資事業は回復傾向」と手応え

ソフトバンクグループの孫正義社長が、決算説明会で「潮目が変わった」と繰り返し強調した。その真意とは。

[安田晴香,ITmedia]
photo ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長(兼会長)

 「潮目が変わった」――ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長(兼会長)は、2月12日の決算説明会で、こう強調した。「創業以来の大赤字」と語った2019年11月の決算説明会の神妙な面持ちとは打って変わり、「厳しい冬の後には春が来ることを体感した」と、今後の経営に自信を見せた。

 2019年4〜12月期の連結決算は、売上高が7兆898億円(前年同期比1.1%減)、営業損益が129億円の赤字(前年同期は1兆8590億円の黒字)、最終利益が4766億円(同69.0%減)と減収減益だったが、四半期ベースの営業損益は黒字回復の傾向が見られた。

photo SBGが発表した19年4〜12月の連結業績

投資事業が回復傾向に

 孫社長は、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)事業の業績が回復傾向にあると指摘。10〜12月期のSVF事業の営業損益は2251億円の赤字で、前期(7〜9月)の9703億円の赤字と比べて赤字幅が縮小した。

 SVFの成果について、孫社長は「利益が出ている企業が38社あり、利益の出ていない企業のマイナス分を差し引くと1兆円の投資利益が出ている」と指摘。「投資額の何倍もの株価もついて、立派な成績といえる」と語った。

photo ソフトバンクビジョンファンド(SVF)の累計投資成果

WeWorkの立て直しに意欲

 孫社長は、同社が巨額投資している「WeWork」の運営会社The We Company(We社)の立て直しにも意欲を見せる。We社の株式価値の下落はSBGの業績へ大きく響いているが、新CEOのサンディープ・マトラニ氏など新たな経営陣と共に5カ年計画を策定。まずは21年中の黒字化を目指す。

 「(新しい)経営陣がそろい、経営戦略や事業計画も整えた状態」と孫社長。約186兆円規模のコワーキング市場でのWe社の成長に期待を寄せる。

photo WeWorkの5カ年計画

SprintとT-Mobileの合併は最終段階に

 SBG傘下のSprintと米携帯キャリア3位のT-Mobileとの合併は「大きく前進し、最終段階に入った」という。米ニューヨークの連邦地裁が2月11日(現地時間)に、合併を認めたためだ。

 両社は18年4月に合併を発表したが、市場競争を妨げ、通信料金の値上げにつながるという理由で、複数の州から差し止め請求を受けていた。

 既に米司法省(DOJ)と米連邦通信委員会(FCC)の承認は得ており、合併の条件はほぼそろった形だ。孫社長は「決算発表の前日に勝訴するとは、神様も粋な計らいをしてくれた」と笑顔を見せた。

「株主価値を見てほしい」

 「SBGは倒産するのではないかと周りから言われるが、倒産からは程遠い状態」と話す孫社長は、「投資会社であるSBGにとって重要なのは、営業利益ではなく株主価値だ」と指摘。4〜12月期の連結決算では減収減益の厳しい状況が続くが、SBGが保有する株式価値について、「株主価値は19年9月の20兆円から(12月は)25兆円になっている」と強調した。

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