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» 2020年02月13日 07時15分 公開

完全ワイヤレスイヤフォンはイヤーピース選びが難しい 「AirPods Pro」は独自構造

カナル型の完全ワイヤレスイヤフォンが増えている一方、汎用的なイヤーピースが使えない製品も。まだ自由に選べる状況にはないようです。

[山本敦,ITmedia]

 先端にイヤーピース(イヤーチップと呼ばれることもある)を付けて耳穴に挿入するイヤフォンを「カナル型」(耳栓型)といいます。高い遮音性と安定したフィット感が特徴で、アップル「AirPods Pro」など完全ワイヤレスイヤフォンでもこの形を採用した製品が主流です。ただ、完全ワイヤレスイヤフォンの場合、イヤーピース選択の幅が狭くなってしまうことも。どういうことでしょうか。

市販の交換用イヤーピース。装着感や音の傾向を変え、イヤフォンを簡単にカスタマイズできます

 通常、イヤーピースは製品パッケージに付属品として複数入っていて、自分の耳に合うサイズのものを選べます。合っていないと耳から脱落して故障や紛失の原因になりますから、とくにケーブルのない完全ワイヤレスイヤフォンの場合は重要です。

 またイヤーピースが耳に合っていないと、耳穴との隙間から音漏れが発生します。しっかり遮音できないと音が聞こえづらくなり、不必要に音量を上げてしまった結果、耳を痛めるリスクも高くなります。

 イヤフォンに付属しているイヤーピースが自分の耳に合わない場合は、サードパーティー(イヤフォンメーカー以外の企業)が販売しているイヤーピースを試してみることをおすすめします。イヤーピースを交換すると、装着感や遮音性だけでなく、音質も結構変わります。好みに合うものが見つかるかもしれません。

シリコンとポリウレタンフォーム

 代表的なイヤーピースの素材にはシリコンとポリウレタンフォームがあります。シリコン製のイヤーチップは柔軟性に富み、水洗いもできるのでスポーツイヤフォンに多く採用されています。

 ポリウレタンフォームは、細かいスポンジ状の素材(プラスチック発泡体)で、米Comply(コンプライ)というメーカーが有名です。独自開発の低反発ポリウレタンを採用するコンプライのイヤーピースは、指で形をつぶしてから耳穴に挿入すると、耳穴の中でゆっくりと膨らんでぴたりとフィット。高い遮音性とばつぐんのフィット感で評価が高く、標準の付属品としてコンプライのイヤーピースを採用しているイヤフォンも少なくありません。

 ただ、高い遮音性は、つまり耳穴に内側から圧力が掛かることでもあり、それが気に入らない人もいます。また遮音性が高まることによる音の聞こえ方の変化も人によって評価の分かれるところ。購入時には実際に試して判断することをおすすめします。

完全ワイヤレスの難しさ

 完全ワイヤレスイヤフォンの場合、通常のイヤフォンに比べてイヤーピース選択の幅が狭くなります。というのも、専用の充電ケースに入れたとき、イヤフォンがピタリと収まるサイズと形状に作り込んでいるから。大きめのイヤーピースを交換するとケースに入らなくなる場合があります。このためコンプライは、イヤーピースの傘の部分を低くした「Tw-type ワイヤレス」という製品も販売しています。

コンプライの完全ワイヤレスイヤフォン用イヤーピース。かさの高さが通常よりも低めで、装着した状態で充電ケースに格納しやすくなっています

 アップルの「AirPods Pro」はイヤーピースが独自の形状で、やはり充電ケースにぴたりと収まるように設計されています。純正品以外のイヤーピースは選びにくい状況で、さらに紛失や破損してイヤーピースを購入しようとしても補修部品扱いのため、店頭ですぐに購入できるわけではありません。基本的にはアップルのサポートを通じて交換品を取り寄せることになります。

アップルのAirPods Proはイヤーピースの取り外しはできるものの、とても特殊な形状をしているため、交換できる製品が限られます。今後サイズのバリエーションなどがもっと増えるのか注目です

 AirPods ProにはS、M、Lのイヤーピースが付属していますが、これだけではカバーできないケースがあります。事実、筆者のまわりにも「Lサイズのイヤーピースでも耳から簡単に脱落してしまう」という人がいて、アップルやサードパーティーから適したイヤーピースが発売されるまでAirPods Proの購入は控えると言っていました。

 完全ワイヤレスは耳から外れるとそのまま地面に落ちてしまいますから、これまでのイヤフォン以上にイヤーピースの選択は重要です。できれば購入前に自分の耳で確かめるようにしてください。

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