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家庭向けの「新型コロナウイルス予防ハンドブック」 東北医科薬科大がネットに公開

» 2020年02月26日 17時29分 公開
[ITmedia]

 東北医科薬科大学は2月25日、新型コロナウイルスの予防策と基礎知識をまとめた「新型コロナウイルス感染症 市民向け感染予防ハンドブック」をネットに公開した。一般家庭の感染リスクを低減する狙いがあり、マスク着用や手洗いといった予防策や、具体的な症状と感染経路などを詳しく解説している。

photo 公開された「新型コロナウイルス感染症 市民向け感染予防ハンドブック」

 ハンドブックでは「感染症にかからない、うつさないためには、複数の対策を組み合わせることが大切です」とした上で、基本的な対策として(1)咳エチケットを守る、(2)手洗いをする、(3)環境消毒・換気をする――の3点を紹介している。

 (1)では、咳やくしゃみの症状があるときは基本的に外出を避け、やむを得ず人の近くで咳やくしゃみをする際は、1メートル以上離れて顔を背けてから行うよう推奨している。飛沫感染を防ぐためにマスクを着用し、咳をしている人にマスクの着用をお願いすることも有効だとしている。

photo 咳エチケットを守る

 (2)では、外出先と家庭内を問わず、帰宅後や料理の前、食事の前、トイレの後といったタイミングで手を洗うことを推奨。洗面台がなく手洗いが難しい場合は、アルコールを含んだウエットティッシュで両手を拭くことも効果的としている。

photo 手洗いをする

 (3)では、部屋のドアノブや照明スイッチ、リモコン、トイレの水栓レバーなど人がよく触れる場所をアルコール消毒する他、室内のウイルス量を下げるため、日中は2〜3時間ごとに窓や扉を開けて換気を行うことを推奨している。家庭内でタオルや食器、衣類や寝具の共用を避けることも予防につながるとしている。

photo 環境消毒・換気をする

 ハンドブックではさらに、家族の感染が疑われる場合の対策を紹介。(1)看病する人を1人に限定する、(2)看病する際は手袋とマスクをつけ、使用後はごみ袋に入れた上で口を縛ってから廃棄する、(3)看病する人も1日2回検温し、症状が出ないかを確認する――などと詳しく説明している。

 次亜塩素酸ナトリウムを希釈して家庭用の消毒液を自作する方法も紹介し、「『できるだけ感染のリスクを下げていく』という考え方に基づいて、一つ一つの対策を確実に行いましょう」としている。

 ハンドブックは東北医科薬科大学医学部で感染症を専門とする賀来満夫特任教授が監修した。同特任教授は「皆さまが感染症予防について正しく理解した上で、安心して生活していただくことを目標に、このガイドブックを作りました。ご家庭での新型コロナウイルス感染症を含む呼吸器感染症予防の一助となれば幸いです」とコメントしている。

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