さらに、リモートワークのためのガイド「GitLab's Guide to Remote Work」、リモートワークのマニフェスト「Remote Manifest」、そして社員マニュアルともいえる「GitLab Handbook」などまで公開されています。
いちばん簡潔に説明されているRemote Manifestを見てみましょう。
内容を訳してみました。
もちろん同社が公開している情報は基本的に同社自身がベースになっているため、全てのリモートワークに適用できることではありません。しかし、リモートワークに取り組む組織や個人のための重要な示唆が含まれていると思います。
次に「GitLab's Guide to Remote Work」を見てみましょう。これはGitLab社員がリモートワークをするに当たって必要な心構えから環境構築、働き方まで、必要と思われる知識を網羅した詳細なドキュメントです。
その一部として「Getting Started」の「What not to do」に並んでいる項目を挙げてみます。
Do not replicate the in-office/colocated experience, remotely
Do not transfer all in-person meetings to virtual
Do not assume that everyone has access to an optimal workspace
Do this, not that
Do not assume that remote happens overnight
Do not assume that remote management is drastically different
Don't assume your existing values can remain static
Contribute your lessons
「リモートでオフィスやコロケーションの体験を再現しようとするな」「一夜にしてリモートで働けるようになると思うな」「リモートのマネジメントは大きく異なるもの、と思うな」「あなたの既存の価値がずっと続くと思うな」など、ちょっとどきっとする項目もありますね。ぜひ詳しい内容まで読んでみてください。
そして、さらに膨大なドキュメントとして公開されているのが、GitLabの社員マニュアルともいえる「GitLab Handbook」です。
こちらには企業のカルチャー、CEOによるKPIやOKRなどの説明。社史、業務の進め方、評価と給料の決め方、部門毎の仕事の進め方など、社員として必要な知識がほぼ全て網羅されています。
例えば報酬に関する項目「Total Rewards」には、報酬の決め方、評価のされ方、インセンティブ、ストックオプションなどが説明され、さらに「Compensation Calculator」では、自分の役割や役職、居住地(地域の物価が給与にある程度反映されるため)などを入力していくと給与額が計算できるページまであります。
これだけ会社の仕組みを全てオープンにしているのは、リモートマニフェストの、3)口頭で説明するよりも、書面にして知識を記録、5)知る必要があるときだけ教えるよりも、情報公開を、などがきちんと実現されているからでしょう。
これらのドキュメントは英語で、しかも量も膨大です。しかし興味があるところだけでも、リモートワークで浮いた通勤時間を利用して読んでみると新たな発見があるのではないでしょうか。
2017年にGitLab.comが大規模障害を起こしたときも、全ての対応はリモートワークで行われ、その様子も全てYouTubeで公開されました。こうした危機に直面したときの対応にも、同社のカルチャーが色濃くうかがえます。
【参考記事】GitLab.comが操作ミスで本番データベース喪失。5つあったはずのバックアップ手段は役立たず、頼みの綱は6時間前に偶然取ったスナップショット
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