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楽天モバイル、地方は実質“月額2980円で2GB” 今後のエリア拡大計画は(2/2 ページ)

» 2020年03月03日 20時50分 公開
[谷井将人ITmedia]
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人ではなく、エリア基準で100%カバー目指す

 楽天モバイルのエリア拡大はこれまで難航してきた。用地交渉が進まず基地局整備が遅れたため、総務省からは3回の行政指導を受けている。しかし、20年に入ってからは整備を加速しており、3月の時点で基地局数は約4400局と総務省に提出した計画値3432局を上回る見込みだという。

 山田社長は、以前から「楽天グループの総力を挙げて基地局建設に取り組んでいる」とアピールしており、3日の発表会では今後の基地局整備について「総務省に提出している21年3月の計画値8600局は大幅に前倒しで(実現するように)動いている」と積極的な姿勢を見せている。

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人工衛星を使ってエリア拡大

 目標として山田社長が挙げたのは「人口ではなくエリアのカバレッジで100%を目指す」だ。「実は、人が住んでいないエリア、極端に人が住んでいないのでケータイがつながりにくいエリアはまだまだある」(山田社長)とし、人の少ない地域でも通信サービスができるよう整備するという。

 この目標を実現するため、楽天は3月3日、人工衛星を使った通信技術を持つ米AST&Scienceと資本業務提携したと発表した。地上の基地局ではなく人工衛星とスマートフォンが直接つながるシステムを作り、「将来的には世界中どこに行っても衛星経由でつながるというプロジェクトを始める」(三木谷氏)と語った。

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 人工衛星を使った通信では、地方でも都市部で提供されているのと同様の通信サービスを提供できる他、台風や地震などの緊急事態や災害時にもネットワークを確保できるというメリットがあるという。

 商用化の時期は未定というが、楽天は今後、国内での基地局整備を進めると同時に、AST&Scienceとも研究開発を進め、国内外問わずどこでも通信できる環境の整備を目指す。エリア拡大以外にも、6月に控えた5Gサービスの開始に向けた準備を引き続き行っていくという。

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