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» 2020年03月10日 07時05分 公開

ゲージ技が出ない? ポケGO「GOバトルリーグ」で発生するラグの正体

オンラインゲームでは、時にラグが勝敗を左右してしまう。ポケモンGOの「GOバトルリーグ」でも多い不具合報告と対策について、米Nianticのシニアゲームデザイナーに話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 オンラインゲームでは、時にラグ(タイムラグ、遅延)が勝敗を左右してしまう。ポケモンGOの「GOバトルリーグ」も同様だ。試行期間を経て、3月14日に始まる「シーズン1」を前に、米NianticのシニアゲームデザイナーでGOバトルリーグを担当しているMatt Ein(マット・アイン)さんに状況を聞いた。

米NianticのシニアゲームデザイナーでGOバトルリーグを担当しているMatt Ein(マット・アイン)さん

 一口にラグといっても、原因はプレイヤーの通信環境やスマートフォンの性能が原因だったり、サーバの処理能力が足りなかったりと実にさまざまだ。複数の要因が重なって起きることも多い。

 ゲームの開発者や運営会社は、それを承知した上でラグや通信エラーが発生しにくい仕組みを考える。アインさんもGOバトルリーグでは「非常に難しいチャレンジをしている」という。

 「技術的な細かい説明は避けますが、GOバトルリーグはリアルタイムに見えて、実はすごく細かいターンの掛け合わせになっています。発動が早いわざは1ターンで攻撃できますが、発動が遅い技は必要なターン数が多くなる仕組みです。サーバ間の処理も膨大で、違う環境のユーザーが同時にプレイし、リアルタイム感を感じられるよう、内部的に処理しています」

把握している大きな不具合は2つ

 アインさんによると、現在GOバトルリーグで対策を進めている大きな不具合は二つ。「一つは非常に速い動作(発動時間の短い)のノーマルアタックを使用したときのラグです。したでなめる、みずでっぽう、りゅうのいぶきなどではサーバ側の処理が間に合わず遅延が起きて動作が遅くなることが分かっています。またこれらのアタックで与えたはずのダメージが正しく反映されないケースも報告されています」。この問題については、解決に向けて調査を進めている段階だという。

 もう一つは、相手が2回までしか使えないはずの「シールド」を3回使用できてしまう不具合だ。一方または両方のインターネット接続が不安定だった場合、使用したシールドが適切にカウントされずに起こるという。こちらも今後のアップデートで対応する予定だが、不安定なインターネット環境下では引き続き発生する可能性もあるとしている。

シールドが足りずに絶望的な状況

「スペシャルアタックが出ない」理由の1つ

 リアルタイムに見えるために生じるラグもある。例えばスペシャルアタック(ゲージ技)を出せる状態になり、ボタンをタップしたにも関わらず、相手が先にスペシャルアタックを撃ってくるケースだ。

 アインさんは「さまざまな理由が考えられる」としながら、ノーマルアタックの処理が追い付いていない可能性を示した。「例えばカイオーガのたきのぼりというノーマルアタックはターン数が非常に多い技です。このため、その攻撃(たきのぼり)が終わったと思っても、まだターンが消化しきれておらず、終わるまでスペシャルアタックが発動しない可能性があります。その遅延により、スペシャルアタックが出ない、と感じるのかもしれません」

 GOバトルリーグ上級者のライブ配信などを見ると、ノーマルアタックを打ちながら数を数えているケースがある。彼らはスペシャルアタックのチャージに必要なノーマルアタックの数を把握していて、それ以上のタップがスペシャルアタックの発動を遅らせることを経験を通じて学んだのかもしれない。

 この他、ポケモンがひんしになって交代させた直後に再び交代メニューが開いてしまったり、対戦中に画面の下部が反応しなくなったりする不具合も報告されているが、どちらも今後のアップデートで修正できる見通しだ。

素早いマッチングと自然なプレイ感

シーズン1のリワード(報酬)として登場するマスクド・ピカチュウ

 世界中に多数のユーザーがいて、さまざまな環境でプレイするGOバトルリーグでは、完璧なリアルタイム性を実現するのはほぼ不可能だ。それが分かっているからこそ、GOバトルリーグの開始当時、素早いマッチングと自然なプレイ感に驚く人が多かった。

 課題はまだ多く残っているものの、長いプレシーズンを通じて改善を続け、いよいよ3月14日の早朝に本シーズンがスタートするGOバトルリーグ。アインさんは、「私はポケモンバトルが好きで、以前からポケモンGOにバトルがあればいいな、どうしたらいいかな、とずっと考えていました。だから今、GOバトルリーグを多くの人にプレイしてもらえて、とてもうれしいです」と話していた。

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